美容室のホームページ制作費用は、自作なら月数千円、テンプレート型のサービスなら初期数万〜十数万円+月額、制作会社に依頼すれば数十万円からと幅がありますが、比べるべきは初期費用ではなく「初期・月額・更新」の3年間の合計です。必要なページは6つに絞れ、見積もりでは所有権・更新方法・写真・予約導線・解約時の5項目を確認します。
この記事では、3つの作り方の費用と向き不向き、費用の内訳(初期・月額・更新)の見方、美容室に必要な6ページ、予約導線と写真の扱い、見積もりで確認する5項目、補助金の使い方、作る前に決める手順を整理します。

結論:3年の合計費用で比べ、6ページに絞り、所有権と更新方法を確認してから契約する
ホームページの見積もりで失敗する典型は、「初期費用0円」に引かれて月額の高いサービスを契約し、3年で制作会社より高くなる、または「制作費30万円」で作ったが、料金の変更ができず放置される、の2つです。費用は「初期+月額×36か月+更新費」で3年分を合計し、更新を自分でできるかを先に確認します。
美容室のホームページの目的は、多くの場合「予約サイト・LINEへの導線」です。ホームページで予約を完結させる必要はなく、店の雰囲気・メニュー・スタッフ・場所を伝えて、予約サイトかLINEに送る役割です。目的が絞れれば、ページ数も費用も絞れます。
ホームページの役割は美容室にホームページは必要か、検索からの集客はSEO対策とホームページ集客で扱っています。この記事は「制作費用の考え方と見積もりの確認」に絞ります。
3つの作り方 — 費用と向き不向き
| 作り方 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 3年合計の目安 | 向く店 | 注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自作(ホームページ作成サービス・CMS) | 0〜数万円 | 1,000〜5,000円(ドメイン・サーバー・サービス利用料) | 5〜20万円 | 自分で更新したい、費用を抑えたい、写真と文章を用意できる | 作る時間が要る。デザインの質は自分次第 |
| テンプレート型サービス(美容室向けパッケージ) | 数万〜十数万円 | 5,000〜2万円 | 25〜80万円 | 短期間で形にしたい、更新はサービス側の管理画面で | 月額が高いと3年で制作会社を超える。解約時にサイトが残らない場合がある |
| 制作会社 | 30〜100万円以上 | 0〜数万円(保守) | 40〜150万円以上 | 独自のデザイン、写真撮影込み、採用ページも作る | 更新を自分でできる設計か確認。追加費用の範囲を契約で |
数字は仮の設定で、地域・内容で大きく変わります。大切なのは「3年合計」と「更新のしやすさ」で比べることです。テンプレート型で月額1.5万円なら3年で54万円になり、制作会社の初期50万円と変わりません。その場合、サイトの所有権と解約時の扱いで判断が変わります。
費用の内訳 — 初期・月額・更新
| 区分 | 含まれるもの | 確認すること |
|---|---|---|
| 初期費用 | 設計、デザイン、ページ制作、写真撮影(含む場合)、初期設定 | 写真撮影が含まれるか、ページ数の上限、修正回数 |
| 月額費用 | ドメイン、サーバー、サービス利用料、保守、更新代行 | 何が含まれるか。更新代行の回数、解約の条件 |
| 更新費用 | 料金変更、写真追加、スタッフの入れ替え、お知らせ | 自分でできるか、都度費用か、月額に含まれるか |
| 追加費用 | ページ追加、予約システムの連携、採用ページ、多言語 | 見積もりの範囲外を先に確認 |
美容室は料金改定、スタッフの入退社、スタイル写真の追加が頻繁で、更新を都度費用(1回5,000〜1万円)で頼むと、年に10回で5〜10万円になります。料金・写真・お知らせの3つは自分で更新できる設計にすることが、3年合計を下げる最大の要点です。経費の考え方は経費の比率の見方で扱っています。

ホームページを作る前に決める手順(5ステップ)
目的を1つに決める
「予約サイト・LINEへの導線」「スタイリストの指名獲得」「採用」のどれを主にするかで、必要なページと写真が変わります。多くの店は導線が主目的です。
必要なページを6つに絞る
トップ、メニュー・料金、スタイル写真、スタッフ紹介、アクセス・営業時間、予約導線(LINE・予約サイトへのリンク)。採用が目的なら採用ページを加えます。
作り方を選ぶ
3年合計の費用、更新のしやすさ、所有権、解約時の扱いで、自作・テンプレート・制作会社を比べます。
写真と文章を先に用意する
スタイル写真20枚以上、スタッフ写真、店内写真、料金表、店の考え(誰にどんな施術をするか)。これがないと、どの作り方でも進みません。
見積もりを取り、5項目を確認して契約する
所有権、更新の方法、写真の扱い、予約導線、解約時の扱いを確認し、契約書に書いてもらいます。
ドメイン(○○.com など)とサーバーの契約者が制作会社やサービス事業者になっている場合、解約時にサイトもドメインも手元に残らないことがあります。ドメインは自店名義で取得し、制作会社にはその管理を委託する形が安全です。契約前に「解約したらドメインとサイトのデータはどうなるか」を必ず確認してください。
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美容室に必要な6ページと、各ページで伝えること
| ページ | 伝えること | 要点 |
|---|---|---|
| トップ | 店の雰囲気、誰向けの店か、予約導線 | 店内とスタイル写真を1枚ずつ。LINE・予約のボタンを画面の見える位置に |
| メニュー・料金 | 主要メニューの料金(税込)と所要時間 | 総額表示。「○○円〜」は幅の理由を書く。指名料の有無 |
| スタイル写真 | 得意なスタイルの施術例 | 本人の掲載許可。担当スタイリスト名を添える |
| スタッフ紹介 | 担当者の顔、得意分野、一言 | 指名につながる。写真は明るく、実際の本人 |
| アクセス・営業時間 | 地図、駅からの道順、駐車場、定休日 | Googleマップの埋め込み。電話番号はタップで発信 |
| 予約導線 | LINE・予約サイトへのリンク、電話 | 全ページのヘッダーかフッターに常に表示 |
「店主の想い」「こだわり」のページは、6ページの後で十分です。読者が知りたいのは、料金・スタイル・スタッフ・場所・予約方法で、この5つがすぐ見つかるかで予約が決まります。メニュー表の作り方はメニュー表の作り方、写真は顧客の写真撮影と掲載許可の取り方で扱っています。
試算 — 3つの作り方の3年合計を比べる
数字は仮の設定です。同じ6ページのサイトを、3つの方法で作り、年に10回の更新(料金変更・写真追加・スタッフ変更)を行う場合の3年間の費用です。
| 項目 | 自作 | テンプレート型(月額1.2万円) | 制作会社(初期50万円) |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 30,000円(有料テンプレート・写真の準備) | 80,000円 | 500,000円 |
| 月額×36か月 | 3,000円×36 = 108,000円 | 12,000円×36 = 432,000円 | 5,000円(保守)×36 = 180,000円 |
| 更新費(年10回×3年) | 0円(自分で更新) | 0円(管理画面で自分で更新) | 8,000円×30回 = 240,000円(自分で更新できない設計の場合) |
| 3年合計 | 約138,000円 | 約512,000円 | 約920,000円(自分で更新できれば約680,000円) |
| 作る時間(自分の工数) | 20〜40時間 | 5〜10時間(写真と文章の用意) | 5〜10時間(打ち合わせ) |
自作は費用が最も低い一方、20〜40時間の自分の時間がかかります。その時間を施術に使えば売上になるため、自分の時間単価と比べて判断します。制作会社は「自分で更新できる設計」にするだけで3年合計が24万円変わり、これが見積もりで更新方法を確認する理由です。テンプレート型は月額に何が含まれるか(更新の自由度、写真の容量、予約導線の設定)で価値が変わるため、月額の内訳を必ず確認します。時間単価の考え方は美容室の時間単価の出し方の記事で扱っています。
見積もりで確認する5項目
- 所有権:ドメインの契約者、サーバーの契約者、サイトのデータの所有。解約時に引き継げるか
- 更新の方法:料金・写真・お知らせを自分で更新できるか。管理画面の操作説明はあるか。更新代行の費用
- 写真の扱い:撮影が含まれるか、撮影した写真の著作権は誰か、他の用途(SNS・予約サイト)に使えるか。素材写真(他店の写真)を使わない
- 予約導線:LINE・予約サイトへのリンク設置、電話番号のタップ発信、Googleマップの埋め込みが含まれるか
- 解約時:最低契約期間、解約の手続き、解約後のサイトとドメインの扱い、データの引き渡し
これらを口頭ではなく、見積書か契約書に書いてもらいます。「大丈夫です」と言われた項目ほど、後で問題になります。業者の選び方は集客コンサルを使う前に確認することの考え方が参考になります。
補助金の使い方 — 小規模事業者持続化補助金
ホームページの制作費は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」として対象になる場合があります。ただし、ウェブサイト関連費だけの申請は認められず、他の経費(チラシ、看板など)と組み合わせる必要があり、補助額にも上限があります。公募回ごとに要件・補助率・上限・申請期間が変わるため、公式サイトで最新の公募要領を確認し、商工会議所・商工会に相談してから計画を立ててください。補助金の使い方は持続化補助金の使い方で扱っています。ホームページと予約導線の設計はVAULTAの集客・マーケティング支援でも相談を受け付けています。
よくある質問
予約サイトに店のページがあれば、ホームページは不要ですか?
予約サイトのページは、同じサイト内の他店と比べられる場所です。店の名前で検索した人が最初に見る「自店だけのページ」として、ホームページは指名と信頼に効きます。費用を抑えるなら自作から始めてください。
無料のホームページ作成サービスで十分ですか?
広告が表示される、独自ドメインが使えない、といった制約があります。月1,000〜2,000円の有料プランで独自ドメインと広告なしにする方が、店の信頼につながります。
制作会社に頼むと、SEOもやってもらえますか?
「SEO対策込み」の内容は会社によって大きく違います。何をするか(ページの構造、表示速度、地域名の設定、ブログの設計)を具体的に確認し、順位や集客数を保証する会社は避けてください。
スマホで見やすいことは必須ですか?
美容室のホームページの閲覧の大半はスマホです。スマホでの表示を最初に確認し、料金表と予約ボタンがスマホで見やすいことを条件にしてください。
写真は自分で撮っても大丈夫ですか?
スマホでも、自然光と背景を整えれば十分な写真が撮れます。制作会社の撮影が含まれる場合は、撮影した写真の著作権と他の用途での利用を確認してください。撮り方は美容室のスタイル写真の撮り方の記事で扱っています。
作った後、何を更新すればよいですか?
料金の変更、スタッフの入れ替え、スタイル写真の追加(月に数枚)、営業時間の変更。この4つを自分で更新できれば、ホームページは古くなりません。ブログを加えるなら月2本が目安です。
ホームページ制作のチェックリスト
契約の前に、次の7項目を確認してください。
- 目的(予約導線・指名獲得・採用)を1つに決めた
- 初期・月額・更新の3つの費用で作り方を比べた
- ドメインとサーバーの契約者が自店になっている(所有権)
- 自分で更新できる範囲(料金・写真・お知らせ)を確認した
- スタイル写真とスタッフ写真は自店で撮った実際のもの(掲載許可あり)
- 予約サイト・LINEへの導線が全ページにある
- 解約時にサイトとドメインをどう扱うかを契約書で確認した
ホームページの制作費用は、「3年合計で比べる」「6ページに絞る」「所有権と更新方法を確認する」の3点で判断できます。初期費用の安さと、見た目の良さだけで決めないでください。

出典・参考資料
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(商工会議所地区)(持続化補助金事務局、2026年9月16日確認)
- 小規模事業者持続化補助金(一般型)(商工会地区)(持続化補助金事務局、2026年9月16日確認)
- No.6902 「総額表示」の義務付け(料金ページの表示)(国税庁、2026年9月16日確認)
- 著作権施策に関する総合案内ページ(写真・デザインの著作権)(文化庁、2026年9月16日確認)
記事内の費用は目安のための仮の設定で、地域・内容・時期により大きく異なります。補助金の要件・補助率・上限は公募回ごとに変わるため、申請前に公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。
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