美容室の顧客管理ソフトの選び方|入力が続くかで決める5つの比較軸

美容室 顧客管理ソフト|美容室でのカウンセリングの様子

美容室の顧客管理ソフトは、機能の多さではなく「毎日の入力が続くか」で選びます。続かないソフトは、どれだけ高機能でも使われなくなります。

この記事では、選ぶ前に決めること、比較する5つの軸、費用の見方、移行の手順、そして導入後に確認する指標を整理します。

目次

結論:美容室の顧客管理ソフトは「入力が続くか」で選ぶ

導入したのに使われなくなる理由は、ほぼ入力の負担です。施術の合間に30秒で終わらないなら、忙しい日に必ず飛びます。そして一度飛ぶと、データの信頼性が落ちて使われなくなります。

だから比較するときは、機能一覧ではなく「来店1件を記録するのに何タップ必要か」を見てください。無料期間があるなら、そこを実際に試します。

まず表計算で始める方法は顧客管理をエクセルで無料で始める方法で扱っています。この記事は、専用ソフトに移る段階の選び方に絞ります。

美容室 顧客管理ソフト|美容室でのカウンセリングの様子

選ぶ前に決める3つ

  1. 何のために使うか。失客を見つけたいのか、誕生日に連絡したいのか、担当別の定着を見たいのか。目的が3つ以上あると、比較の軸が定まりません。まず2つに絞ります。
  2. 誰が入力するか。自分だけか、スタッフ全員か。複数人なら、権限の設定と同時編集が要件になります。
  3. 予約システムと分けるか、一体にするか。分けると二重入力が発生します。すでに予約システムを使っているなら、そこの顧客管理機能で足りないかを先に確認します。

③はとくに重要です。予約と顧客管理を別々のツールで持つと、同じ情報を2か所に入れることになり、必ずどこかで食い違います。一体型を選べるなら、そのほうが運用は楽になります。

①を絞れないときは、いま困っていることを1つ書き出してください。「誰が離れかけているか分からない」なら失客の抽出、「誕生日に連絡できていない」なら配信。困りごとがそのまま目的になります。

比較する5つの軸

見るところ 妥協できるか
入力の手間 来店1件の記録に必要な操作数 妥協できない
抽出のしやすさ 「3か月来ていない人」を条件で出せるか 妥協できない
予約との連携 二重入力が発生しないか 運用でカバー可
データの持ち出し CSV等で出力できるか 妥協できない
費用 月額、初期費用、人数課金の有無 効果と比べて判断

「妥協できない」が3つあります。入力が続かなければ意味がなく、抽出できなければ名簿と変わらず、持ち出せなければ乗り換えのときに全部を手作業で移すことになります。

逆に「妥協できる」のは予約との連携です。理想は一体型ですが、運用でカバーする方法もあります。予約が入った時点ではなく、来店後に1回だけ顧客管理側へ記録する形にすれば、二重入力は1日数件で済みます。

機能の多さは判断材料になりません。使わない機能があっても費用は同じで、画面が複雑になるぶん入力が遅くなります。足りない機能より、余計な機能のほうが運用を止めます。

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試すときは、実際の営業日に使ってください。落ち着いた時間に触ると、どれも問題なく感じます。忙しい日に回るかどうかが判断の基準です。

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費用をどう見るか

月額の金額だけでは判断できません。次の3つを金額に換算して比べてください。

ひとつ目は、削減できる入力時間です。二重入力に月8時間かかっていて、それが無くなるなら、その時間で施術できた粗利が効果になります。時間あたりの粗利が3,600円なら約2.9万円です。

ふたつ目は、失客の防止です。抽出して声をかけられるようになり、月に2人が戻れば、客単価8,000円なら1.6万円。年間で見ると、その人たちが継続する分も乗ります。

みっつ目は、入力が続かなかった場合の損失です。導入しても使われなければ、月額がそのまま無駄になります。だから無料期間で「続くか」を確かめることに、いちばん価値があります。

上記は考え方を示すための仮の数値です。実際の効果は運用によって異なります。

移行の手順

  1. いまの記録を1か所にまとめる

    紙のカルテ、表計算、予約システム。どこに何があるかを一覧にします。散らばったまま移すと抜けます。

  2. 移す項目を絞る

    全部を移そうとすると終わりません。氏名、連絡先、最終来店日、担当。この4つがあれば運用は始められます。

  3. 直近1年の顧客から入れる

    何年も来ていない人を先に入れても使いません。動いている顧客から入れて、運用を回し始めます。

  4. 2週間は並行させる

    いきなり切り替えると、抜けたときに戻れません。両方に記録して、抜けが無いか確認します。

  5. 入力のタイミングを決める

    会計時か、施術後か、営業後にまとめてか。決めておかないと人によってばらつきます。

⑤を決めないまま始めると、必ず入力が溜まります。「会計と同時に入れる」のように、既存の動作に紐づけるのが続けるコツです。

個人情報の取り扱い

顧客の氏名や連絡先は個人情報にあたります。個人情報保護法は取り扱う個人情報の数にかかわらず事業者が対象となる仕組みになっており、規模の小さい事業者も例外ではありません。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」。詳細は同委員会の公表資料をご確認ください。

ソフトを導入する際は、アクセスできる人の範囲、退職時の権限削除、バックアップの方法を決めておいてください。クラウドのサービスを使う場合も、管理の責任は事業者側に残ります。

スタッフが退職するときの権限削除は、忘れやすい手順です。退職の手続きに組み込んでおくと、後から気づいて慌てることがなくなります。

導入後に確認する指標

入れて終わりにしないために、次の3つを毎月見てください。入力率、抽出の実行回数、そして声をかけた人の再来店率です。

入力率は、来店件数に対して記録された件数の割合です。ここが8割を切っているなら、入力の手間か運用ルールに問題があります。

抽出の実行回数は、そのソフトを「使っているか」の指標です。入力しているだけで抽出していないなら、名簿として持っているだけになっています。使い方は失客を防ぐ原因と対策を参考にしてください。

導入前チェックリスト

契約する前に、次の6つを確認してください。

  1. 使う目的を2つに絞った。
  2. 来店1件の記録に必要な操作数を、実際に試して数えた。
  3. 「3か月来ていない人」を条件で抽出できることを確認した。
  4. データをCSV等で出力できることを確認した。
  5. 予約システムとの二重入力が発生しないかを確認した。
  6. 入力するタイミングを、既存の動作に紐づけて決めた。

3つ目の再来店率は、導入の効果そのものです。抽出して声をかけた人が実際に戻っているなら、費用は回収できています。戻っていないなら、抽出の条件か声のかけ方を見直します。

美容室 顧客管理ソフト|美容室の店内の様子

②と③は、無料期間があれば必ず試してください。この2つが問題なければ、導入後に使われなくなることはほとんどありません。

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この記事を書いた人

美容室オーナー・経営者向けメディア「vaulta」編集部。集客・リピート・融資・求人・DX・独立の実務情報を、一次情報を確認のうえ発信。お金に関わる記事は中小企業診断士の監修を受けています。編集責任者:ISOYAMA。

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