美容室のシフトの作り方は、「予約の入り方に人を合わせる」のが基本です。人数を均等に置くのではなく、混む時間に厚く、空く時間に薄く配置することで、無理なく回ります。
この記事では、シフト作成の手順、公平さを保つルールの決め方、そして人手が足りないときの対処を、現場運用の視点で解説します。
結論:美容室のシフトは「予約の波」に合わせて組む
シフトで苦労するのは、希望を集めてから組もうとするからです。先に必要な人数を決めておけば、調整はぐっと楽になります。
労働時間や休憩、休日については労働基準法で基準が定められており、シフト作成はこれを満たす前提で組む必要があります(出典:厚生労働省「労働基準法」)。まずこの枠を守ったうえで、店の都合とスタッフの希望を合わせます。
手順はシンプルです。予約の波を把握し、時間帯ごとに必要な人数を決め、そこに希望を当てはめる。この順番にするだけで、毎月の負担が減ります。

シフト作成で押さえる3つの軸を整理します。
- 需要:曜日・時間帯ごとの予約の入り方を把握する
- 配置:混む時間に厚く、空く時間に薄く人を置く
- 公平:希望の通し方にルールを決め、偏りをなくす
この3つがそろうと、シフトが「毎月の悩み」から「決まった作業」に変わります。
シフト作成の手順(3ステップ)
実際の作り方です。順番を変えるだけで、調整の手間が変わります。
-
予約の波を数字で把握する
過去数か月の予約から、曜日・時間帯ごとの来店数を見ます。混む時間と空く時間を特定します。
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時間帯ごとの必要人数を決める
波に合わせて「土曜午後は3人、平日午前は1人」のように先に枠を決めます。
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希望を集めて当てはめる
締め切りを決めて希望を集め、決めた枠に配置します。埋まらない枠は早めに相談します。

希望の提出には締め切りを設けます。「毎月20日まで」のように固定すると、直前の変更が減ります。締め切り後の変更は、本人同士で交代を探してもらうルールにしておくと、店側の負担が軽くなります。
アシスタントとスタイリストの組み合わせも考えます。シャンプーや準備を担当できる人がいる時間帯は、スタイリストが施術に集中でき、同じ人数でも回せる客数が変わります。誰と誰を組ませるかまで決めておくと、当日の動きがスムーズです。
予約システムを使っていれば、時間帯別の来店数は簡単に出せます。感覚ではなく数字で見るのがポイントです。美容室のDX完全ガイドもあわせてご覧ください。
公平さを保つルールの決め方
シフトの不満は、多くが「不公平だと感じること」から生まれます。ルールを先に決めて共有しておけば、揉めにくくなります。
| 決めておくこと | ルールの例 |
|---|---|
| 希望休の上限 | 月に何日まで出せるかを明示する |
| 土日祝の扱い | 希望が重なったときの優先順位(交代制など) |
| 連休の取り方 | 事前申請の期限と、重なった場合の調整方法 |
| 締め切り後の変更 | 本人同士で交代を探す、など手順を決める |
| 繁忙期の扱い | 希望休を制限する期間を、あらかじめ伝えておく |
※ 労働時間・休憩・休日の扱いは労働基準法の基準を満たす必要があります。個別の判断は社会保険労務士など専門家にご確認ください。
とくに揉めやすいのが土日祝です。希望が重なる前提で、交代制などの順番を先に決めておきます。「今回は譲ったから次は優先」と履歴が見える形にすると、納得感が生まれます。
繁忙期に希望休を制限するなら、その旨を事前に伝えておきます。直前に言われると不満になりますが、先に分かっていれば予定を立てられます。定着の仕組みは美容室のスタッフが辞めない仕組みの作り方もご覧ください。
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人手が足りないときの組み方
人数に余裕がない店では、シフトの工夫だけでは埋まらない時間が出ます。その場合は、埋め方そのものを見直します。
シフト作成チェックリスト
- 曜日・時間帯ごとの予約数を把握しているか
- 時間帯ごとの必要人数を先に決めているか
- 希望の締め切りを固定しているか
- 土日祝の優先順位を決めているか
- 労働時間・休憩・休日の基準を満たしているか
まず確認したいのが、本当に人が足りないのか、配置が偏っているだけなのかです。空く時間に人が多く、混む時間に少ない状態なら、採用しなくても配置の見直しで解決できることがあります。
空く時間帯は、思い切って人数を絞ります。平日午前に3人置くより、1人にして他を休みに回すほうが、繁忙時間に厚く配置できます。営業時間そのものの見直しも選択肢です。
予約の受け方で波をならす手もあります。空いている枠を優先して案内する、次回予約を空き時間に誘導する。シフトだけで解決しようとせず、需要側から調整すると楽になります。人手不足そのものへの対応は美容師の人手不足の原因と対策もご覧ください。
やってはいけないシフトの組み方
注意:労働時間・休憩・休日の法定基準を下回るシフトは組めません。個別の適法性は社会保険労務士など専門家に確認してください。効果や改善を保証する表現、根拠のない最上級表現も景品表示法の観点で控えます。
まず避けたいのは、法定の基準を満たさない組み方です。労働時間や休憩、休日の扱いは、店の都合より優先されます。
特定の人にばかり土日祝や遅番が偏るのも、不満と離職につながります。ルールを決めずに、その都度の判断で組むのも同じです。基準が見えないと、不公平だと感じさせてしまいます。
直前の変更を店側が繰り返すのも避けたいところです。予定が立たない状態は、働きにくさに直結します。逆に、空いている時間に人を置きすぎるのも人件費の無駄になります。
よくある質問
Q. シフトはどうやって作り始めればいいですか?
希望を集める前に、曜日・時間帯ごとの予約数を確認し、必要人数を先に決めましょう。枠が決まっていれば、当てはめるだけになります。
Q. 土日祝の希望が重なります。
交代制など優先順位のルールを先に決め、共有しておきましょう。譲った履歴が見える形にすると、納得感が生まれます。
Q. 直前の変更が多くて困ります。
希望の締め切りを固定し、締め切り後は本人同士で交代を探すルールにすると減らせます。
Q. 人数が足りず組めません。
空く時間帯の人数を絞り、繁忙時間に厚く配置しましょう。営業時間の見直しや、予約の受け方で波をならす方法もあります。
Q. 法律面が不安です。
労働時間・休憩・休日は労働基準法の基準を満たす必要があります。判断に迷う場合は社会保険労務士に相談しましょう。

次の一手
まずは過去数か月の予約データから、曜日・時間帯ごとの来店数を出してみましょう。混む時間と空く時間が見えたら、時間帯ごとの必要人数を決めます。希望を集めるのはその後です。
美容室のシフトは、予約の波に人を合わせて組みます。必要人数を先に決め、公平のルールを共有する。焦らず、まず予約データの確認から始めていきましょう。
人件費とのバランスは美容室の人件費率の目安と適正化もあわせてご覧ください。
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