美容室のオンラインカウンセリング導入|LINE・ビデオ通話での事前相談の進め方と、使い分け

美容室のオンラインカウンセリングとは、来店前にLINEの写真やビデオ通話で髪の状態と希望を確かめ、施術の可否と時間・料金の目安を伝える事前相談です。対象は縮毛矯正やブリーチなどに絞り、写真で足りる相談はLINE、難しい相談だけ15分の通話にします。

向くメニューと向かないメニュー、導入の手順、LINEで送ってもらう問診項目と写真の撮り方、ビデオ通話の進め方、料金の考え方と試算、写真と個人情報の扱いまでを順に整理します(2026年10月時点の情報です)。

目次

結論:オンラインカウンセリングは「LINEの写真相談」と「15分のビデオ通話」の2段階で始める

オンラインカウンセリングは、写真で判断できる相談をLINEのトークで済ませ、写真だけでは判断できない相談に限って短いビデオ通話を使うと、スタッフの時間を取られすぎません。来店しての事前相談と合わせて、3つの方式を使い分けます。

方式 向く相談 店側の所要時間の目安 注意点
LINEのトーク(写真+問診) 施術履歴の確認、なりたい髪型の写真の共有、料金と時間の目安 1件10分前後(返信と記録) 返信する時間帯を決めておく
ビデオ通話(LINEコールなど) くせやダメージの程度の確認、ブライダルの髪型の打ち合わせ 15分+記録5分 照明や画質で髪の見え方が変わる
来店しての事前相談 頭皮の状態の確認、薬剤の反応を毛束で試す必要がある相談 15〜30分 お客様の移動の負担が大きい

どの方式でも、最終的な施術内容は来店時に髪と頭皮を直接見て決めます。オンラインで決めるのは「来店してよいか」「どれくらいの時間と予算を見ておけばよいか」までで、仕上がりを約束する場ではありません。LINEのフォームで質問を集める基本の設計はLINE事前カウンセリングの設計で解説しているため、この記事ではビデオ通話を含めた相談の進め方に絞ります。

オンラインカウンセリングが向くメニュー・向かないメニュー

オンラインカウンセリングが向くのは、施術前の情報で可否や時間が大きく変わり、失敗したときの負担が大きいメニューです。カットだけの通常予約に使うと、お客様にもスタッフにも手間が増えるだけになります。

メニュー・相談 向き不向き 事前に分かること 来店で確かめること
縮毛矯正 向く くせの強さ、前回の矯正の時期、カラーとの重なり 毛先のダメージの手触り、薬剤の選定
ブリーチ・ダブルカラー 向く 黒染めやセルフカラーの履歴、希望の明るさまでに必要な回数の見込み 毛束での反応、頭皮のしみやすさ
ブライダル・成人式のヘアセット 向く 髪型の写真、髪飾り、当日の時間と人数 当日の髪の長さと量
白髪染めからグレイヘアへの移行 向く 白髪の量と分布、移行にかかる期間の目安 実際の色味と明るさ
他店での施術がうまくいかなかった相談 向く 今の状態の写真、施術の内容と時期 直せる範囲
カットのみの通常予約 向かない 予約フォームの質問で足りる ―
頭皮のかゆみ・湿疹・抜け毛の相談 向かない ― 医師の診察が必要な場合がある

頭皮のかゆみや湿疹、急な抜け毛の相談は、美容師が原因を判断できるものではありません。病気の診断は医師の業務(医師法第17条)なので、「皮膚科でご相談ください」と受診をすすめ、施術は受診後にあらためて相談してもらいます。オンラインで「〇〇が原因です」と言い切ることは避けてください。

導入の手順 — 対象と枠を決めてから、LINEの設定と案内文を整える

導入は、対象メニューと受付の枠を決めることから始めます。LINEの設定より先に「誰が・いつ・何件まで対応するか」を決めると、始めてから返信が追いつかなくなる事態を防げます。

  1. 対象メニューと相談枠を決める

    縮毛矯正・ブリーチなど対象を2〜3メニューに絞り、予約表に15分の「オンライン相談枠」を週2〜3枠作ります。施術の合間の空き時間で対応しようとすると、施術が押した日に相談が後回しになります。

  2. 問診項目と写真の撮り方の案内を作る

    次の見出しの問診項目をもとに、LINEで送る質問文と写真の撮り方の案内文を用意します。

  3. LINE公式アカウントを設定する

    チャットを使える設定にし、応答時間外の自動応答の文面を用意します。ビデオ通話を使う場合は、LINEコールを有効にします。LINEヤフーの案内では、LINEコールはすべての料金プランで使え、お客様は無料で音声通話やビデオ通話ができ、店側はチャット画面から通話リクエストを送ってお客様に通話を始めてもらう仕組みです。

  4. 対応する端末とアカウントを決める

    店のスマートフォンやタブレットで、店のLINE公式アカウントから対応します。スタッフ個人のLINEや私物の端末で相談を受けると、写真や相談内容が店の管理から外れます。

  5. 案内文と入口を作る

    リッチメニューや予約ページに「髪の相談(オンライン)」の入口を作り、対象メニュー、所要時間、料金、受付の時間帯を書きます。

  6. スタッフ同士で練習する

    スタッフをお客様役にして、写真の受け取りから15分の通話、カルテへの記録までを一度通します。画面越しの髪の見え方に慣れておくことが目的です。

  7. 1か月後に見直す

    相談の件数、予約につながった割合、来店時のカウンセリング時間の変化を確かめ、対象メニューや枠の数を調整します。

LINEのトーク履歴は、LINEヤフーの機能マニュアル(2026年8月更新)によると、無料の範囲では半年間の閲覧・保存で、有料のチャットProオプションでは最大5年間です。履歴が消えても困らないよう、相談の要点はその日のうちに顧客カルテへ転記しておきます。

VAULTA|美容室専門のLINE公式サポート

美容室特化型のLINE公式、
無料でつくれます。

集客・リピート・求人のヒントをLINEで配信。美容室に特化した公式アカウントを無料で作成・運用サポートします。

無料でLINE公式を作成する↗

友だち追加だけ。相談・作成は無料です。

問診項目 — LINEで送ってもらう11項目と写真の撮り方

問診は、施術の可否と、時間・料金の見込みを出すのに必要な項目だけに絞ります。項目が多すぎると回答が途中で止まるため、選択式で答えられるものは選択式にします。

項目 聞き方の例 判断に使うこと
1. 相談したいメニュー 縮毛矯正/ブリーチ/ヘアセット/その他 担当者と所要時間
2. なりたい仕上がり 「イメージに近い写真を2〜3枚送ってください」 できるかどうか、必要な回数の見込み
3. 避けたい仕上がり 「これだけは嫌、という形や色はありますか」 提案から外すもの
4. 今の髪の写真 前・横・後ろの3枚(撮り方は下の案内) ダメージ、くせ、色ムラ
5. 過去1年の施術履歴 カラー/ブリーチ/黒染め/縮毛矯正/パーマ/セルフカラー(それぞれの時期も) 薬剤の選定、施術できるかどうか
6. 最後に施術した時期 「最後に美容室で施術したのはいつですか」 間隔が短すぎないか
7. カラーでのかぶれ・しみ 「ヘアカラーでかゆみや腫れが出たことはありますか」 パッチテストの案内
8. 普段の扱い方 乾かし方、アイロンの使用、スタイリングにかける時間 仕上がりの提案、持ちの見込み
9. 予算の上限 「ご予算の上限があれば教えてください」 提案の範囲
10. 来店できる日と時間の制約 希望日と「何時までに終わればよいか」 予約枠の長さ
11. 写真の扱いへの同意 「お送りいただいた写真は、施術のご相談とカルテの記録にのみ使います」 利用目的の明示

7で「かぶれたことがある」と答えた方には、ヘアカラーを使えない場合があることを伝え、来店前のパッチテストの段取りを案内します。手順はパッチテストのやり方と記録で整理しています。問診票全体の作り方はカウンセリングシートの作り方も参考にしてください。

お客様に送る「写真の撮り方」の案内文(例)

  • 昼間の窓際など、明るい自然光の下で撮ってください(フラッシュはオフにしてください)
  • 乾いた状態で、普段どおりに下ろした髪を撮ってください
  • 前・横・後ろの3枚をお願いします。後ろはご家族に撮ってもらうか、合わせ鏡でもかまいません
  • 毛先の状態が分かるよう、1枚は毛先に近づけて撮ってください
  • 色が変わって見えるため、加工アプリやフィルターは使わないでください
  • お顔は写らなくても大丈夫です

ビデオ通話の進め方 — 15分の流れと、オンラインで約束しないこと

ビデオ通話は15分を上限にし、確認・提案・予約の順に進め、施術の結果は約束しないのが原則です。事前に写真と問診が届いていれば、15分で十分に話がまとまります。

時間 やること 声かけ・確認の例
0〜2分 あいさつ、本人の確認、録画しないことを伝える 「本日はご相談ありがとうございます。この通話は録画しません」
2〜6分 送ってもらった写真を見ながら希望を確かめる 「このお写真の、どの部分がいちばん近いですか」
6〜10分 画面越しに髪の状態を確かめる 「毛先をカメラに近づけていただけますか」「窓のほうを向いていただけますか」
10〜13分 施術の可否、回数、所要時間、料金の幅を伝える 「1回で近づけるのは難しく、2回に分けるのがおすすめです」
13〜15分 予約日の候補、当日の持ち物、パッチテストの案内 「ご都合のよい日を2つ挙げていただけますか」

オンラインでは、照明やカメラの性能で、髪の色や傷みが実際と違って見えます。料金は「〇〇円〜〇〇円」と幅で伝え、「必ずこの色になります」「絶対に傷みません」のような断定はしません。来店時に実物を見て判断が変わることがある、と通話の最後に一言添えておくと、当日のトラブルを防げます。画像で仕上がりのイメージを共有する方法はAIヘアシミュレーションの使い方で、期待のずれを防ぐ説明とあわせて解説しています。

所要時間と料金の考え方、予約への導線

料金は、予約につながる相談に絞るなら無料、相談だけの利用が多いなら有料にして施術代から差し引く形が使い分けの目安です。どちらにするかは、相談1件にかかる店の時間をお金に換算して決めます。

試算 — 15分のビデオ通話は、何件に1件予約されれば元が取れるか(仮の設定)

スタイリストの時間単価(技術売上÷施術に使える時間)を1時間6,000円とします。ビデオ通話15分に、写真の確認と記録の10分を加えた25分が1件の手間なので、1件あたり6,000円×25分÷60分=2,500円分の時間を使う計算です。

相談の多くが縮毛矯正(客単価18,000円)だとすると、2,500円÷18,000円で約14%となり、7件に1件が予約につながれば、相談に使った時間の分は売上で取り戻せます。予約率がこれを大きく下回るなら、対象メニューを絞るか、相談を有料にします。数字は説明のための仮の設定で、自店の時間単価の出し方は時間単価の出し方と上げ方を参照してください。

有料にする場合は、料金、支払い方法、施術代から差し引く条件、キャンセル時の扱いを、申し込みの前に案内します。

予約への導線は、通話の最後に候補日を2つ挙げてもらい、その場でLINEか予約システムで仮押さえするのが最短です。予約しなかったお客様への連絡は、2〜3日後に「ご相談内容のまとめ」を送る1回までにします。相談の内容はカルテに「オンライン相談」として記録し、当日の担当がカウンセリングの最初に「事前にご相談いただいた〇〇の件ですね」と引き継ぐと、来店時の聞き直しがなくなります。

写真と個人情報の扱い — 受け取る前に利用目的を伝える

お客様の顔や髪の写真、施術の履歴は個人情報です。受け取る前に何に使うかを伝え、施術の相談とカルテの記録以外には使わないことが基本です。

  1. 利用目的を先に示す:個人情報保護法は、個人情報を取得したときに利用目的を本人に通知か公表し、書面やフォームなどで本人から直接取得するときはあらかじめ明示することを求めています(同法第21条)。問診の案内文の冒頭に一文で書きます。
  2. 健康に関する情報は必要以上に聞かない:病院での診断名や治療歴は要配慮個人情報に当たり、取得には原則として本人の同意が必要です(同法第2条第3項・第20条第2項)。施術の判断には「カラーでかぶれたことがあるか」で足りることがほとんどです。
  3. 録画しない:ビデオ通話は録画せず、要点を文字でカルテに残します。録画が必要な場合は、目的と保存期間を伝えて同意を得てからにします。
  4. SNSへの転用には別の同意を取る:相談で受け取った写真を、ビフォーアフターとしてSNSや予約サイトに載せることはしません。載せたい場合は、施術後にあらためて掲載の同意を取ります。
  5. 私物の端末に保存しない:写真をスタッフの私物のスマートフォンに保存すると、退職や紛失のときに管理できなくなります。

同意を取るときの文面は個人情報の同意文例に、カウンセリングシート・LINE・写真掲載の場面別にまとめています。

オンラインカウンセリングを始める前に、次の7項目を確認してください。

  • 対象メニューを2〜3個に絞り、予約表に15分の相談枠を作った
  • 問診の質問文と写真の撮り方の案内文を用意した
  • 店の端末と店のLINE公式アカウントで対応し、私物の端末は使わない
  • ビデオ通話を使う場合は、LINEコールを有効にして練習した
  • 料金を無料にするか、有料で施術代から差し引くかを決め、案内文に書いた
  • 写真の利用目的を、受け取る前に伝える文面にした
  • 相談の要点をその日のうちにカルテへ転記する担当を決めた

よくある質問

オンラインカウンセリングだけで施術内容を決めてもよいですか?

いいえ、最終的な施術内容は来店時に髪と頭皮を直接確かめてから決めます。画面越しでは照明やカメラによって色や傷みの見え方が変わるため、オンラインでは施術の可否と時間・料金の目安までを伝えます。

LINE公式アカウントでビデオ通話はできますか?

できます。LINEコールを有効にすると、お客様は無料で音声通話やビデオ通話ができ、店側はチャット画面から通話リクエストを送って通話を始めてもらえます。画面や手順は変わることがあるため、LINEヤフーの最新の案内で確認してください。

オンラインカウンセリングは有料にすべきですか?

予約につながる相談に絞るなら無料で始め、相談だけの利用が多い場合に有料化を検討するのが目安です。有料にするなら、施術を予約したときに相談料を差し引く形にすると、申し込みのハードルが下がります。

頭皮のかゆみや湿疹の相談を受けたらどうすればよいですか?

原因の判断はせず、皮膚科の受診をすすめます。病気の診断は医師の業務のため、美容師がオンラインで原因を言い切ることは避け、受診後にあらためて施術を相談してもらいます。

相談だけで予約しなかったお客様には連絡してよいですか?

連絡してかまいませんが、1回までにします。2〜3日後に相談内容のまとめを送り、予約を急がせる連絡を繰り返さないほうが、次に必要になったときに戻ってきてもらいやすくなります。

出典:個人情報の保護に関する法律第2条第3項・第20条第2項・第21条(e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」)、医師法第17条、LINEヤフー「LINE公式アカウント 機能マニュアル(チャット)」(2026年8月18日更新)、LINEヤフー「LINE公式アカウント」のLINEコールに関するお知らせ。個別の判断は弁護士、または個人情報保護委員会の相談窓口に確認してください。

オンラインカウンセリングは、対象メニューを2〜3個に絞り、15分の相談枠を予約表に先に作ると無理なく続きます。まず縮毛矯正かブリーチのどちらか1つで、写真の撮り方の案内文と問診を用意するところから始めてください。

VAULTA|美容室専門のLINE公式サポート

美容室に特化したLINE公式、
無料でおつくりします。

予約・再来店・求人・販促まで、LINEひとつで。美容室の集客と経営に効く公式アカウントを、無料で作成します。

無料でLINE公式を作成する↗

友だち追加だけ。相談・作成は無料です。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

VAULTA編集部は、美容室・美容師向けに集客、リピート率向上、LINE公式活用、MEO対策、独立・開業、資金調達に関する実践的な情報を発信しています。

美容室の集客・リピート導線を見直したい方へ

新規集客、LINE公式、MEO対策、リピート率改善、ホットペッパー依存の見直しまで、あなたのサロンに合わせて整理します。

「何から直せばいいかわからない」という段階でも大丈夫です。
まずは現在の集客導線を一緒に確認しましょう。

コメント

コメントする

目次