美容室で週休2日を導入する方法|売上を落とさずに休みを増やす手順

落ち着いた雰囲気の美容室の店内

美容室で週休2日を導入しても、やり方次第で売上は維持できます。鍵は「営業日を減らす」ことではなく、「1日あたりの生産性を先に上げてから休みを増やす」順番にあります。

この記事では、導入前に確認する数字、売上を落とさないための3つの打ち手、シフトの組み方、そして段階的な移行手順を解説します。

目次

結論:美容室の週休2日は「生産性を上げてから」導入する

営業日を1日減らせば、単純計算で売上は約1/6落ちます。この前提のまま踏み切ると、資金繰りが苦しくなります。

先にやるべきは、稼働している日の中身を見直すことです。空き枠、キャンセル、単価、この3つを整えてから休みを増やすのが順番になります。

人手不足と定着の観点は美容室の人手不足対策、利益構造の見直しは売上と利益の改善で扱っています。

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導入前に確認する3つの数字

数字 出し方 見るポイント
曜日別売上 曜日ごとに月合計を出す いちばん低い曜日はどこか
枠の稼働率 実施件数 ÷ 受付可能枠 空きが多い時間帯はどこか
スタッフ1人あたり売上 売上 ÷ スタイリスト数 人数と売上が見合っているか

上表は自店の状況を把握するために整理したものです。3か月分を並べて傾向を見てください。

この3つが揃うと、どの曜日を休みにできるかが見えてきます。感覚で「火曜は暇」と思っていても、実際は月曜のほうが低いというケースは珍しくありません。

もうひとつ確認しておきたいのが、月間の総労働時間です。休みを増やしても1日の営業時間が延びれば、負担は変わりません。週休2日にする目的が「休息を増やすこと」であれば、営業時間の延長で埋め合わせる形は本末転倒になります。

また、スタッフごとの稼働率も見てください。特定の1人に予約が偏っている場合、その人が休む日の売上だけが大きく落ちます。指名の分散は、休みを増やす前提条件のひとつになります。

曜日別売上を見るときは、祝日を含む週とそうでない週を分けて集計してください。祝日が入るだけで曜日の傾向は崩れます。3か月分を素のまま平均すると、判断を誤ることがあります。

売上を落とさないための3つの打ち手

  1. 営業日の枠を埋める。休みを増やす前に、既存の空き枠を埋めます。次回予約の運用は次回予約の取り方が参考になります。
  2. キャンセルの穴を減らす。当日キャンセルが多いと、実質的な稼働は見た目より低くなります。前日の確認連絡だけでも効果が見込めます。
  3. 単価の構成を見直す。同じ人数でも、メニュー構成で売上は変わります。値上げではなく設計の話です。客単価を上げるメニュー設計を参照してください。

3つとも、休みを増やす前に着手できる項目です。ここで1日あたりの売上が上がっていれば、営業日を減らしても総額を保ちやすくなります。

この3つに着手すると、多くの店で1〜2か月のうちに変化が見えます。数字が動いてから休みを増やすほうが、スタッフにも「実現できた理由」が伝わります。順番を守ることは、納得感の面でも効いてきます。

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シフトの組み方(3パターン)

週休2日といっても、店を2日閉めるとは限りません。実際には次の3通りがあります。

  1. 全店休業型

    店ごと週2日休む形です。運用は最も簡単ですが、営業日数が減るため売上への影響が直接出ます。

  2. 交代制

    店は営業しつつ、スタッフが交代で休みます。営業日数は維持できますが、人数に余裕が必要です。

  3. 隔週型からの移行

    まず隔週で週休2日にし、数値を見ながら完全移行を判断します。段階を踏めるため、失敗した場合に戻しやすい形です。

休日や労働時間の変更は労働条件に関わります。就業規則の変更や従業員への周知が必要になる場合があるため、進める前に労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。

美容室で施術を受けるお客様

おすすめは3つ目の隔週型からの移行です。いきなり完全週休2日にすると、影響の大きさが読めないまま進むことになります。隔週で2〜3か月試し、売上と予約の動きを見てから判断すれば、リスクを抑えられます。

どのパターンでも、休みにする曜日は数字で決めてください。スタッフの希望だけで決めると、売上の高い曜日を閉めてしまうことがあります。希望と数字が食い違う場合は、その理由を共有したうえで折り合いをつけるのが現実的です。

交代制を選ぶ場合は、予約の受け方も同時に決めてください。指名客が担当の休みと重なると、予約が取れずに他店へ流れます。担当が休む週は事前に案内する、次回予約を優先的に押さえる、といった運用を合わせて設計しておくと失客を抑えられます。

お客様への伝え方

定休日を変えると、既存客の来店パターンに影響します。告知は早めに、複数回に分けて行ってください。

伝える順番は、①理由を短く ②いつから変わるか ③これまでどおりできること、です。理由は「スタッフが長く働ける環境にするため」といった内容で構いません。丁寧に説明するほど、受け入れられやすくなります。

その曜日に固定で来ていた常連客には、個別に声をかけて別の曜日を提案してください。放置すると、そのまま来店が止まります。LINEでの案内はLINE公式アカウントの活用法を参考にしてください。

告知の時期は、少なくとも1か月前が目安です。美容室は来店周期が1〜3か月のため、1か月前の告知でも次回来店時に初めて知る客が出ます。店内掲示、LINE、予約時の口頭案内を組み合わせ、複数の経路で届くようにしてください。

予約システムを使っている場合は、営業日設定の変更も忘れないでください。告知はしたのに予約画面では受付が続いている、という食い違いは信頼を損ないます。切り替え日を決めたら、システム側の設定日も同時に記録しておくと漏れません。

常連客への個別連絡は、告知の中でもっとも効果があります。「〇曜日にいつも来ていただいていますが、来月から定休日になります。前後の曜日でお取りしておきましょうか」と、次の予約まで提案する形にすると、失客を大きく減らせます。

導入後3か月で確認すること

移行したら、次の3点を月次で確認します。

第一に、月間の総売上。第二に、1営業日あたりの売上。第三に、休みが増えた曜日に来ていた客の来店状況です。3つ目を追わないと、静かに失客していることに気づけません。

美容室のスタッフがシフトを確認する様子

もし総売上が落ちていても、1営業日あたりの売上が上がっているなら方向は間違っていません。稼働の効率が改善している証拠なので、枠を埋める施策を続ければ総額は戻せる可能性があります。

スタッフからの受け取られ方にも注意してください。休みが増えても、1日の予約が詰め込まれて休憩が取れない状態になれば、負担感はむしろ増します。休日数と同時に、営業日の1人あたり施術件数も見ておくことをおすすめします。

休みを増やすことは、コストではなく採用と定着への投資でもあります。求人で条件を比較されたとき、休日数は真っ先に見られる項目のひとつです。数字を確認しながら、段階的に進めてみてください。

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この記事を書いた人

美容室オーナー・経営者向けメディア「vaulta」編集部。集客・リピート・融資・求人・DX・独立の実務情報を、一次情報を確認のうえ発信。お金に関わる記事は中小企業診断士の監修を受けています。編集責任者:ISOYAMA。

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