美容室でメンズ客を増やす最大の壁は、価格でも技術でもなく「入っていいのか分からない」という心理です。ここを解消するだけで、既存の設備のまま新しい層が動きます。
この記事では、入りにくさの正体、外から伝える情報の作り方、メニューと所要時間の設計、そして再来につなげる流れを解説します。
結論:美容室のメンズ客は「入りやすさ」を作れば増える
男性が美容室を選ぶとき、迷いやすいのは「自分のような客がいるかどうか」です。女性向けの雰囲気に見える店には、技術が良くても足が向きません。
必要なのは店の改装ではありません。外から見える情報の中に、男性の施術例と料金、所要時間があるかどうか。ここが判断の材料になります。
集客全体の設計は集客方法完全ガイド、差別化の考え方は集客は差別化で決まるで扱っています。

理容室と美容室のどちらに行くか迷っている層もいます。違いを説明する情報が店側から出ていれば、それだけで選ぶ材料になります。どちらが優れているという話ではなく、何ができるかを示すという考え方です。
なぜ入りにくいのか
- 男性の施術例が見当たらない。サイトやSNSに女性のスタイルしか並んでいないと、対象外だと受け取られます。
- 料金が分かりにくい。カットの料金が女性向けの表記だけだと、いくらかかるか読めません。
- 所要時間が書かれていない。仕事の合間に行きたい層にとって、時間が読めないことは大きな障壁です。
- 予約の方法が分からない。電話に抵抗がある層もいます。オンラインで完結する経路があるかどうかが効きます。
この4つは、いずれも情報の問題です。設備を変えずに直せる項目ばかりで、費用もほとんどかかりません。まずここから着手するのが効率的です。
美容サービスの利用実態には男女差があることが、民間調査からも示されています。リクルートが実施する「美容センサス」では、美容室の利用状況が男女別に集計されており、来店頻度や単価の傾向を確認できます。
出典:リクルート「美容センサス」。調査年・調査回により内容は異なります。詳細は同社の公表資料をご確認ください。
写真については、モデルのような仕上がりだけを並べる必要はありません。むしろ日常的な髪型のほうが、自分に置き換えて想像しやすくなります。年代の幅を意識して、20代から50代まで揃えておくと対象が広がります。
撮影のハードルが高いと感じるなら、来店したお客様に許可を得て撮らせてもらう形でも十分です。許可を取るときは、掲載先と利用範囲を明確に伝えてください。あとから範囲が広がると、信頼を損ないます。
外から伝える情報を直す
| 場所 | 直すこと | 効果 |
|---|---|---|
| Googleビジネスプロフィール | 男性の施術写真を追加 | 検索時の第一印象が変わる |
| 予約サイト・自社サイト | メンズメニューを独立表示 | 料金と時間が読める |
| SNS | 男性のスタイル投稿を定期的に | 対象であることが伝わる |
| 店頭 | メンズ対応の掲示 | 通りがかりの判断材料になる |
上表は着手の順番を整理したものです。効果の出方は立地や客層により異なります。
優先度が高いのは1行目です。地図検索から店を探す人にとって、写真は最初に見る情報になります。MEOの整え方はMEOで順位が上がらない原因にまとめています。

店頭の掲示も効果があります。通りがかりに見て判断する層にとって、外から得られる情報は限られます。メンズ対応であること、料金の目安、所要時間の3つが書いてあれば、入る判断がしやすくなります。
予約経路についても確認してください。電話のみの受付だと、その時点で候補から外れることがあります。オンラインで完結する経路を1つは用意しておくことをおすすめします。
SNSの投稿頻度も、月に数回でかまいません。継続していることが伝わることが重要です。
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メニューと所要時間の設計
-
メンズカットを独立させる
「カット」に含めず、独立した項目として料金を示します。いくらかかるかが一目で分かる状態にします。
-
所要時間を明記する
「約45分」といった形で書きます。仕事の合間や休日の予定の間に組み込みやすくなります。
-
短時間メニューを1つ作る
カットのみで完結する短時間の選択肢があると、初回のハードルが下がります。
-
追加メニューは後から案内する
初回から複数を勧めないでください。時間と金額が読めないことが不安につながります。
料金を表示する際は、税込か税抜か、追加料金が発生する条件を明確にしてください。表示と実際の会計額が異なると、景品表示法上の問題となる可能性があります。また、効果や仕上がりを断定する表現は避けてください。
③の短時間メニューは、初回の入口として機能します。長時間の施術を前提にすると、試しに来ることができません。まず1回来てもらい、良ければ次から選択肢を広げる。この順番のほうが定着しやすくなります。
来店時に気をつけること
初回の体験が、そのまま再来するかどうかを決めます。男性客に多い不安は、次の3つです。
第一に、何を頼めばいいか分からない。専門用語を避け、写真で選べる形にすると決めやすくなります。第二に、話しかけられるのが負担。会話を望むかどうかは人によります。カウンセリングの段階で確認できると安心です。第三に、次にいつ来ればいいか分からない。ここは伝えなければ伝わりません。
3つ目については、施術後に「この長さなら4〜6週間が目安です」と具体的に伝えてください。周期の目安があると、次の来店が予定に入ります。
会話については、こちらから判断せず確認するのが確実です。「今日はゆっくりされますか、それともお静かに過ごされますか」と一言聞くだけで、双方が楽になります。決めつけて話し続けるほうが、負担になることがあります。
もうひとつ、スタッフ側の慣れも影響します。男性客の対応に不慣れだと、その空気が伝わります。メンズのスタイル提案を練習の対象に含めておくと、自信を持って接客できるようになります。
再来につなげる流れ
男性客は来店周期が読みやすい傾向があります。カットが中心であれば、伸びる速度からおおよその時期が決まるためです。
この特性を活かして、次回の目安を伝えたうえで、周期に合わせた案内を送る形が有効です。案内の設計はLINE公式アカウントの活用法を参考にしてください。

効果の確認は3か月単位で行います。見るのは、新規の男性客数、その再来率、そしてメンズメニューの実施件数です。新規だけ増えて再来率が低いなら、来店時の体験に課題があります。
メンズ客を増やす取り組みは、既存の女性客を減らすものではありません。空いている時間帯や曜日に別の層を迎え入れる形にできれば、店全体の稼働が平準化します。平日の枠を埋める考え方は平日集客のやり方もあわせてご覧ください。
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