美容室のショップカードは、表に店名・電話番号・住所・営業時間と予約用のQRコード、裏に次回予約欄か地図を載せ、会計後に次回の来店を話すタイミングで手渡すのが基本です。QRコードは予約の入口を1つ大きく、多くても2つまでに絞ります。
ショップカードの役割、載せる項目、表と裏のレイアウト例、QRコードのつなぎ先、印刷の費用と部数の出し方、渡すタイミングと配る場所、効果の測り方を順に整理します。LINEのショップカード(ポイント機能)ではなく、紙のカードの作り方です(2026年10月時点の情報です)。
結論:美容室のショップカードに載せる項目の早見表
ショップカードに載せるのは、店名、電話番号、住所、営業時間・定休日、予約の入口になるQRコードの5つが基本です。料金や担当者名のように変わりやすい情報は印刷せず、手書きの欄やWebに任せます。
| 項目 | 優先度 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 店名・ロゴ | 必ず載せる | 読み方が難しい店名は、カタカナかローマ字を添える |
| 電話番号 | 必ず載せる | 電話で予約を受けない店も、遅刻や変更の連絡先として載せる |
| 住所・目印 | 必ず載せる | 建物名と階数、「〇〇駅から徒歩5分」などの目安を入れる |
| 営業時間・定休日 | 必ず載せる | 曜日で変わるなら「最新の営業日はLINEで」と案内先を書く |
| 予約用のQRコード | 必ず載せる | LINEか予約ページのどちらか1つを大きく |
| 地図・地図のQRコード | あると良い | 2階以上や路地の奥など、迷いやすい店は優先する |
| Instagramのアカウント | あると良い | QRコードを増やさず、アカウント名を文字で載せる |
| 次回予約欄・紹介欄 | 裏面にどちらか1つ | 渡す目的に合わせて選ぶ(次の章のレイアウト例) |
| メニューと料金 | 載せない | 改定のたびに刷り直しになる。載せるなら税込の総額で |
| 担当者名 | 印刷しない | 退職や異動で使えなくなる。手書きの欄で対応する |
迷ったら「1年後も正しいか」で判断します。1年以内に変わりそうな情報はカードではなくLINEやホームページに置くと、刷り直しの費用と、古い情報が出回るリスクを減らせます。料金を載せる場合の書き方は美容室の料金表示のルールで整理しています。
ショップカードの役割 — 店名と予約方法を思い出してもらう
ショップカードの役割は、来店後も財布や鏡台に残り、次に髪を切りたくなったときに店名と予約方法をすぐ思い出してもらうことです。来店回数に応じて特典を渡すポイントカードとは目的が違います。
| 種類 | 主な目的 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| 紙のショップカード | 店を思い出してもらう、予約の入口、人に渡せる | LINEを使わない人にも渡せる。紹介で手から手に渡る | 失くされやすい。どれだけ使われたか分かりにくい |
| LINEのショップカード(ポイント機能) | 来店ごとにポイントを付け、特典を渡す | 失くされない。友だちとしてつながり続ける | LINEの友だちにならないと使えない |
| 紙のポイントカード | 来店回数に応じた特典 | 手軽に始められる | 割引の実質コストがかかり、持ち忘れも多い |
紙のカードは「店の入口」、LINEのショップカードは「通い続けてもらう仕組み」と分けて考えると、両方を無理なく使えます。LINE側の特典の設計はLINEショップカードの再来特典の設計、紙のポイントカードを続けるかどうかはポイントカードはやめるべきかで扱っています。
表面と裏面のレイアウト例 — 目的別の3パターン
表面は「店名と予約方法」、裏面は渡す目的に合わせた用途を1つだけに分けると、名刺サイズでも読みやすくなります。裏面の用途は、次回予約・紹介・地図の3つから選びます。
まず表面です。横向きの名刺サイズ(91×55mm)なら、次のように上・中・下で役割を分けると、情報が混ざりません。
| 位置 | 載せるもの | 大きさ・置き方の目安 |
|---|---|---|
| 上段 | ロゴ・店名(読み方) | カードの中でいちばん大きく |
| 中段 | 住所・電話番号・営業時間・定休日 | 試し刷りを手に持ち、無理なく読める大きさか確かめる |
| 右下 | 予約用のQRコードと「LINEで予約」などの説明 | 2cm角前後を目安に、周りに余白を取る |
| 左下 | Instagramのアカウント名・ホームページのURL | 文字で1行ずつ |
裏面は、渡す目的で3つのパターンから選びます。
| パターン | 裏面に載せるもの | 向く店 |
|---|---|---|
| A 次回予約型 | 次回の予約日時・担当・メニューを書く欄、変更とキャンセルの連絡方法 | 会計時に次回予約を取る店 |
| B 紹介型 | 紹介者の名前を書く欄、紹介特典の内容・条件・有効期限 | 紹介で新規のお客様が来ている店 |
| C 地図型 | 簡単な地図、目印、駐車場、地図アプリにつながるQRコード | 2階以上や路地の奥など、初めての人が迷いやすい店 |
パターンAの予約欄は、「次回のご予約 月 日( ) : /担当 /メニュー」の1行に、「変更・キャンセルはLINEまたはお電話で前日までに」と添えると使いやすくなります。書き込むためのカードなので、ボールペンのインクがにじみにくく乾きやすいマット系の紙を選びます。声のかけ方は次回予約の取り方を参照してください。
パターンBは、特典の条件をカードに書いておくと受付でのやりとりが短くなります。新規のお客様に物品を渡す特典は、景品表示法の総付景品の上限(取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2)に収まるかを確認します。紹介の流れはLINE紹介キャンペーン設計で扱っています。
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QRコードの使い方 — 予約・LINE・地図のどれにつなぐか
QRコードは、お客様に一番使ってほしい予約の入口を1つ大きく載せ、2つ目を置くなら地図にします。3つ以上並べると、どれを読み取ればよいか迷わせてしまいます。
| つなぐ先 | 向く店 | 注意点 |
|---|---|---|
| LINE公式アカウントの友だち追加 | 予約や相談をLINEで受ける店 | 友だち追加の直後に届くあいさつメッセージで、予約の方法を案内しておく |
| 予約ページ(予約システム) | Web予約で完結させたい店 | 掲載をやめると使えなくなるURLは避け、店が管理できるURLにする |
| 地図(Googleマップの店舗ページ) | 新規のお客様が多い店、迷いやすい場所の店 | 自店のビジネスプロフィールのページが開くか確かめる |
| 作品を見てから予約してほしい店 | QRコードにせず、アカウント名を文字で載せても足りる |
QRコード自体は、規格どおりに使う限り申請も使用料も要りません(デンソーウェーブのQRコード公式サイト)。印刷で失敗しやすいのは大きさと余白です。QRコードの周りには4セル分の空白が必要とされているため、すぐ横に文字や枠を詰めないでください。
QRコードを入れるときの確認
- 行き先のURLが店で管理できるもので、数年は変わらない
- QRコードのすぐ下に「LINEで予約」「地図はこちら」と行き先を書いた
- 周りに余白を取り、模様や写真の上に重ねていない
- 試し刷りを、iPhoneとAndroidの両方で読み取った
- 行き先のページに、最新の営業時間と予約方法が載っている
印刷の費用と部数 — 1枚あたりの単価と必要な枚数の出し方
ショップカードの費用は、印刷代を部数で割った1枚あたりの単価で比べます。部数は「1か月に渡す枚数×次に作り直すまでの月数」で決め、営業時間やURLが変わる予定があるなら少なめに刷ります。
| 項目 | 主な選択肢 | 美容室での選び方 |
|---|---|---|
| サイズ | 名刺サイズ(91×55mm)、正方形、二つ折り | 財布やカード入れに入る名刺サイズが基本 |
| 紙 | マット系、上質紙、光沢紙、厚手の紙 | 書き込む欄があるならマット系か上質紙 |
| 色 | 片面カラー、両面カラー | 裏面に予約欄や地図を刷るなら両面 |
| 加工 | 角丸、箔押し、型抜き | 単価が上がる。店の雰囲気に必要なものだけにする |
| デザイン | 自作、印刷会社のテンプレート、デザイナーへの依頼 | ロゴと色が決まっていれば、テンプレートでも統一感は出せる |
試算 — 必要な部数と1枚あたりの費用(仮の設定)
月の新規客が40人、次回予約を取るお客様が月100人の店を想定します。新規客には本人用と紹介用に2枚、次回予約のお客様には予約欄に書いて1枚渡すとすると、月に渡す枚数は40人×2枚+100枚=180枚です。
6か月ごとに見直すなら、必要な部数は180枚×6か月=1,080枚なので、1,000枚を目安に発注します。印刷代が1,000枚で5,000円なら1枚5円で、月180枚を渡しても月900円です。印刷代は自分で置いた仮の数字なので、実際の金額は印刷会社の見積もりで確かめてください。
開業直後や移転直後は、営業時間やURLが変わりやすい時期です。最初は少ない部数で刷り、3か月ほど使ってから本番の部数を決めると、刷り直しを減らせます。
渡すタイミングと配る場所
一番渡しやすいのは、会計が終わって次回の来店について話すときです。新規のお客様には初回の会計時に必ず渡し、店の外では、了解を得たうえで近くの店などに置いてもらいます。
| 場面 | 渡し方・ひと言の例 | ねらい |
|---|---|---|
| 初回の会計時 | 「次回のご予約は、こちらのLINEからいつでもできます」 | 予約の入口を覚えてもらう |
| 次回予約を取ったとき | 裏面の予約欄に日時と担当を書いて渡す | 予約の日を忘れないようにする |
| 紹介をお願いするとき | 「よろしければご家族やお友だちに」と2枚渡す | 紹介する手間を減らす |
| 店販品を買ったとき | ショップバッグに1枚入れる | 自宅で目に入る場所に残してもらう |
| 店頭のカードスタンド | 入口の近くに置き、自由に持ち帰ってもらう | 通りがかりの人の入口になる |
| 近隣の店・施設 | カフェや雑貨店などと、了解を得て置き合う | 店の近くで暮らす人や働く人に知ってもらう |
置いてもらう先は、客層が近く、自店のお客様にも紹介できる店を選ぶと、お互いに置く理由ができます。了解を得ずに他店のレジ横や公共の掲示板に置くのは、トラブルのもとになるので避けてください。
効果の測り方と作り直しの目安
効果は、カードのQRコードから来た友だち追加と予約の数で測ります。カードにだけ使う行き先を用意すると、ホームページやInstagramから来た人と分けて数えられます。
-
カード専用の行き先を作る
予約ページにつなぐなら、URLの末尾にアクセス解析で見分けられる計測用の文字列を付けて、カード専用のQRコードを作ります。LINEの友だち追加なら、追加された経路を見分ける方法を決めておきます。経路の見方はLINE友だち追加経路の分析で整理しています。
-
月に1回、数字を並べる
渡した枚数(在庫の減り方)と、カードのQRコードから来た友だち追加・予約の数を並べます。渡した枚数のわりに反応が少なければ、QRコードの位置や説明の書き方を見直します。
-
作り直しを判断する
営業時間・URL・電話番号が変わった、QRコードが読み取りにくいと言われた、在庫が1か月分を切った、のどれかに当てはまったら作り直します。古いカードは店頭から引き上げます。
入稿の前に、次の8項目を確認してください。
- 店名・電話番号・住所・営業時間・定休日に誤りがない
- 1年以内に変わりそうな情報(料金・担当者名)を印刷していない
- 予約用のQRコードが1つ大きく載り、行き先の説明が添えてある
- QRコードの周りに余白があり、試し刷りを複数の機種で読み取った
- 裏面の用途を、次回予約・紹介・地図のどれか1つに決めた
- 書き込む欄があるなら、書きやすい紙を選んだ
- 特典を載せるなら、条件・有効期限・景品の上限を確認した
- 部数を「月に渡す枚数×作り直すまでの月数」で出した
よくある質問
ショップカードと名刺は分けたほうがよいですか?
分けたほうが使いやすくなります。名刺はスタイリスト個人の名前や連絡先を伝えるもので、ショップカードは店の予約方法を伝えるものです。1人で営業する店なら、表を店の情報、裏をスタイリスト名にした兼用でも足ります。
ショップカードは何枚くらい作ればよいですか?
1か月に渡す枚数×作り直すまでの月数が目安です。月に180枚渡し、6か月ごとに見直すなら約1,000枚になります。開業直後は情報が変わりやすいため、少なめに刷って様子を見ます。
QRコードはいくつまで載せてよいですか?
2つまでが目安です。予約の入口を1つ大きく載せ、2つ目は地図にします。3つ以上並べると、どれを読み取ればよいか分からなくなります。
カードにメニューの料金を載せてもよいですか?
載せられますが、おすすめしません。料金を変えるたびに刷り直しが必要になるためです。載せる場合は、消費税を含めた総額で表示します。
LINEのショップカードがあれば、紙のカードは要りませんか?
役割が違うため、両方あると使い分けられます。LINEのショップカードは友だちになった人の再来店を促す仕組みで、紙のカードはLINEを使わない人や、紹介で初めて店を知る人への入口になります。
自分でデザインして、家庭用のプリンターで刷ってもよいですか?
少ない部数なら問題ありません。ただしQRコードがかすれると読み取れないため、試し刷りを複数のスマートフォンで読み取ってから配ります。部数が多いなら、印刷会社に頼むほうが1枚あたりの単価を下げやすくなります。
出典:不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第4条、消費者庁「景品規制の概要」、消費税法第63条(価格の表示)、デンソーウェーブ「QRコードドットコム よくあるご質問」。特典の設計や表示について個別の判断が必要な場合は、消費者庁の相談窓口か専門家に確認してください。
最初にやることは、今の営業時間・予約方法・QRコードの行き先を確かめ、裏面の用途を1つに決めることです。そのうえで少ない部数で刷り、会計時に必ず手渡す運用から始めてください。
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