美容室の年間支出はいくらか|家計調査で見る1世帯あたりの理美容代、カット代・パーマ代の推移と年代・地域差

総務省「家計調査」では、2025年の二人以上の世帯の理美容サービス支出は1世帯あたり年42,082円で、温泉・銭湯の入浴料を除く理容・美容分は40,088円でした。10年前よりカラーなどの「他の理美容代」とカット代が増え、パーマネント代はほぼ半分になっています。

家計調査の品目に何が含まれるか、2015年からの推移、世帯主の年代別・地域別の差、1回あたりの平均価格を一次データで整理し、自店の価格設定と商圏の需要の見積もりに使う方法を試算つきで紹介します(2026年10月時点の情報です)。

目次

結論:家計調査で見る美容室への支出の早見表

二人以上の世帯は、2025年に理容・美容のサービスへ1世帯あたり年40,088円を使いました。内訳は、カラーやセットなどの「他の理美容代」が25,613円で最も大きく、カット代7,133円、理髪料5,111円、パーマネント代2,231円と続きます。

品目(2025年) 1世帯あたり年間支出 年間の回数 1回あたり平均価格
理美容サービス(合計) 42,082円 — —
うち温泉・銭湯入浴料 1,994円 — —
うち理髪料 5,111円 1.787回 2,860円
うちパーマネント代 2,231円 0.231回 9,675円
うちカット代 7,133円 2.241回 3,184円
うち他の理美容代(カラー・セット・エステなど) 25,613円 — —
入浴料を除く理容・美容分(計算値) 40,088円 — —

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年」詳細結果表〈品目分類〉表4-1(二人以上の世帯、2026年2月6日公表)。年間の回数は1世帯あたりの購入数量。他の理美容代は品目が多様なため数量と平均価格は公表されていない。

家計調査は約7,000世帯(2025年の集計世帯数は7,261世帯)がつける家計簿をもとにした国の基幹統計で、世帯が実際に払った金額を品目ごとに追える点が強みです。

家計調査の「理美容サービス」とは — カラー代は「他の理美容代」に入る

家計調査の理美容サービスとは、入浴・理容・美容に対して払ったサービスの代金のことです。2025年1月改定の収支項目分類では5つの品目に分かれ、美容室のカラー代は単独の品目ではなく「他の理美容代」に含まれます。

品目 含まれるもの(内容例示の要旨)
温泉・銭湯入浴料 銭湯代、温泉入浴料、日帰り温泉の入館料、スーパー銭湯の入浴料
理髪料 理容院の料金。指名料、部分刈り代、顔そり代を含む。理容院でのパーマはパーマネント代
パーマネント代 パーマの代金。同時のシャンプー、カット、トリートメント、セット代と指名料を含む
カット代 カットの代金。同時のシャンプー、トリートメント、セット代を含む。部分カットも含む
他の理美容代 上記以外。セット代、毛染め代(ヘアマニキュア・ヘアカラー)、美容院の洗髪代、美顔術・エステ、着付けと化粧代、大規模な温泉施設の入場料など

出典:総務省統計局「収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)」。

「他の理美容代」にはエステや着付けも含まれるため、全額が美容室の売上ではありません。それでもカラー需要の動きはこの品目に表れるので、カット代・パーマネント代と並べて見ると、美容室のメニュー構成の変化が読み取れます。

支出額の推移 — 2020年に落ち込み、2025年は10年で最高

理美容サービスの支出は、コロナ禍の2020年に34,111円まで落ち込んだ後、5年連続で増え、2025年は42,082円と2015年以降で最も高い水準になりました。品目別では、パーマネント代の減少と、他の理美容代の増加がはっきりしています。

年 理美容サービス計 理髪料 パーマネント代 カット代 他の理美容代
2015年 36,647円 5,207円 4,500円 6,115円 18,571円
2016年 36,450円 5,112円 4,233円 6,211円 18,914円
2017年 36,137円 4,917円 3,846円 6,097円 19,297円
2018年 35,667円 4,936円 3,595円 6,177円 19,163円
2019年 37,589円 5,139円 3,345円 6,208円 21,058円
2020年 34,111円 4,713円 2,791円 6,049円 19,315円
2021年 35,715円 5,079円 2,709円 6,273円 20,426円
2022年 36,945円 4,894円 2,489円 6,539円 21,669円
2023年 38,703円 4,882円 2,472円 6,803円 22,928円
2024年 40,046円 4,903円 2,430円 6,991円 24,160円
2025年 42,082円 5,111円 2,231円 7,133円 25,613円

出典:総務省統計局「家計調査」長期時系列表(二人以上の世帯、1世帯当たり年間の品目別支出金額)、2025年は詳細結果表4-1。理美容サービス計は入浴料を含む。2018年に家計簿の様式が変わり、2020年と2025年に品目分類が改定されているため、前後の比較は目安。

2015年から2025年までに、他の理美容代は約38%、カット代は約17%増えた一方、パーマネント代は約50%減りました。パーマの客がカラーやトリートメントに移ったという現場の実感と合う動きです。2024年から2025年の1年でも、理美容サービス計は5.1%増えています。

VAULTA|美容室専門のLINE公式サポート

美容室特化型のLINE公式、
無料でつくれます。

集客・リピート・求人のヒントをLINEで配信。美容室に特化した公式アカウントを無料で作成・運用サポートします。

無料でLINE公式を作成する↗

友だち追加だけ。相談・作成は無料です。

世帯主の年代別の差 — 世帯では50代、1人あたりでは60代が最も多い

世帯単位で最も多く使っているのは世帯主が50代の世帯(47,463円)です。ただし世帯の人数が違うため、世帯人員で割った1人あたりの目安(計算値)では、60代の世帯が18,048円で最も多くなります。

世帯主の年齢 理美容サービス計 カット代 パーマネント代 理髪料 他の理美容代 世帯人員 1人あたり(計算値)
29歳以下 33,408円 5,113円 1,443円 2,225円 23,009円 2.91人 11,480円
30〜39歳 42,038円 6,040円 1,600円 2,901円 29,264円 3.58人 11,743円
40〜49歳 44,688円 7,680円 1,733円 4,012円 28,968円 3.73人 11,981円
50〜59歳 47,463円 6,789円 1,969円 5,258円 31,396円 3.12人 15,213円
60〜69歳 45,482円 7,539円 1,673円 5,884円 28,123円 2.52人 18,048円
70歳以上 36,263円 7,207円 3,114円 5,797円 18,525円 2.34人 15,497円
平均 42,082円 7,133円 2,231円 5,111円 25,613円 2.87人 14,663円

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年」詳細結果表〈品目分類〉表4-6(二人以上の世帯)。1人あたりは理美容サービス計÷世帯人員でVAULTA編集部が計算した値で、子どもを含む世帯全員で割っている。29歳以下は集計世帯が99世帯と少ないため参考値。

年代ごとの特徴は3つあります。40代の世帯はカット代が7,680円と最も多く、子どもを含む家族のカット需要が表れています。70歳以上の世帯はパーマネント代が3,114円と平均の約1.4倍で、パーマの需要が残っています。30〜50代の世帯は他の理美容代が約2.9万〜3.1万円と多く、カラーなどの比重が高い層です。シニア客への対応はシニア客の集客も参考にしてください。

地域別の差 — 関東と都市部が多く、沖縄・九州・北海道は少ない

地方別に入浴料を除いた理容・美容分を比べると、関東が44,819円で最も多く、沖縄は20,606円と関東の半分以下です。都市の規模が大きいほど支出も多くなります。

地域 理美容サービス計 入浴料を除く理容・美容分(計算値) うちカット代 集計世帯数
関東地方 46,994円 44,819円 7,270円 1,794世帯
北陸地方 45,290円 42,255円 10,606円 492世帯
東海地方 44,053円 42,061円 6,118円 685世帯
近畿地方 41,832円 40,110円 7,769円 966世帯
中国地方 40,067円 38,794円 6,857円 625世帯
四国地方 35,472円 34,273円 7,620円 449世帯
東北地方 35,622円 33,238円 5,880円 767世帯
北海道地方 34,306円 31,760円 7,711円 260世帯
九州地方 33,196円 31,496円 6,356円 981世帯
沖縄地方 20,947円 20,606円 3,653円 243世帯
大都市 46,540円 44,521円 7,572円 2,105世帯
小都市B・町村 36,122円 34,297円 5,826円 439世帯

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年」詳細結果表〈品目分類〉表4-1(二人以上の世帯)。理容・美容分は理髪料・パーマネント代・カット代・他の理美容代の合計。集計世帯数が少ない地域は年ごとの振れが大きい。中都市は42,581円(理容・美容分40,483円)、小都市Aは39,948円(同38,012円)。

北陸地方はカット代が10,606円と突出していますが、集計世帯が492世帯で1年分の値のため、単年の地域差は数年分を並べて確かめるのが安全です。2024年の北陸地方のカット代も10,511円と高く、2年続けて同じ傾向が出ています。

1回あたりの単価はいくらか — 家計調査の平均価格と来店単価の違い

家計調査の1回あたり平均価格は、2025年でカット代3,184円、パーマネント代9,675円、理髪料2,860円です。これは品目ごとの価格で、カラーなどを含めた1回の来店の会計額ではありません。

指標 2024年 2025年 出典と単位
カット代の平均価格 3,165円 3,184円 家計調査。シャンプー・セット込みのカット1回
パーマネント代の平均価格 9,415円 9,675円 家計調査。同時のカット等を含むパーマ1回
理髪料の平均価格 2,794円 2,860円 家計調査。理容院1回
美容室1回あたり利用金額(女性) 7,668円(2025年調査) 7,686円(2026年調査) 美容センサス。15〜69歳の利用者が1回に払う金額
美容室1回あたり利用金額(男性) 4,879円(2025年調査) 4,853円(2026年調査) 同上

家計調査のカット代は「カットだけの来店」の価格に近く、カラーを足した来店は他の理美容代に分かれて記録されます。一方、リクルートの美容センサスは個人が1回の来店で払った金額なので、カラーやトリートメントを含んだ客単価に近い数字です。自店の客単価と比べるなら美容センサス、メニュー別の価格と比べるなら家計調査と使い分けます。客単価の分解は客単価の計算方法と4つの分解、市場全体の推計は美容室の市場規模の推移で解説しています。

自店の価格設定にどう活かすか — 商圏の需要と価格の位置を確かめる

家計調査は、商圏の世帯が年にいくら使うかの見積もりと、自店の価格が平均とどれだけ離れているかの確認に使えます。次の手順で自店の数字と並べてください。

  1. 商圏の世帯数に、地域の1世帯あたり支出を掛ける

    店から通える範囲の二人以上の世帯数を調べ、地方別の理容・美容分(関東なら44,819円)を掛けると、商圏で年間に使われる金額の目安が出ます。

  2. メニュー別の平均価格と自店の価格を並べる

    カット3,184円、パーマ9,675円(2025年平均)に対して、自店が何倍の価格かを確認します。平均より高い価格なら、高い理由をメニュー表や予約ページで説明できているかを点検します。

  3. 来店回数を増やす余地を数字で見る

    カット代の年間回数は1世帯2.241回です。世帯全体の来店機会を自店にまとめてもらえれば、価格を上げなくても売上は伸びます。来店間隔の目安は来店周期の平均で確認できます。

試算 — 二人以上の世帯が6,000世帯ある関東の商圏(仮の設定)

商圏に二人以上の世帯が6,000世帯あり、関東地方の2025年の1世帯あたり支出を当てはめると仮定します。世帯数は自分で置いた仮定で、単身世帯は含めていません。

品目 計算式 商圏の年間支出
カット代 6,000世帯×7,270円 4,362万円
パーマネント代 6,000世帯×2,290円 1,374万円
理髪料 6,000世帯×5,520円 3,312万円
他の理美容代 6,000世帯×29,739円 1億7,843万円
合計 6,000世帯×44,819円 2億6,891万円
自店の年間売上が1,800万円の場合のシェア 1,800万円÷2億6,891万円 約6.7%

他の理美容代にはエステや着付けも含まれるため、美容室が取り合える金額は合計より小さくなります。それでも、商圏全体の支出のうち自店が何%を受け取っているかを毎年同じ方法で記録すると、値上げや新メニューの効果を測る物差しになります。値上げの進め方は価格改定と値上げの進め方を参照してください。

家計調査の数字を価格設定に使う前に、次の6点を確認してください。

  • 理美容サービス計には温泉・銭湯の入浴料が含まれることを踏まえている
  • カラー代は「他の理美容代」に入り、エステや着付けと混ざっていることを理解している
  • 世帯単位の数字を、1人あたりの数字と取り違えていない
  • 地域の値は1年分ではなく、2〜3年分を並べて確かめている
  • 家計調査の平均価格と自店の客単価を、同じ単位で比べている
  • 出典として「総務省統計局 家計調査(何年、二人以上の世帯)」を併記している

よくある質問

美容室代は1人あたり年間いくらですか?

家計調査は世帯単位の統計で、1人あたりの値は公表されていません。二人以上の世帯の理容・美容分40,088円(2025年)を平均の世帯人員2.87人で割ると、約1万4,000円が目安です。

一人暮らしの世帯は年にいくら使っていますか?

単身世帯の理美容サービス支出は2025年で30,806円です(入浴料を含む)。単身世帯は調査世帯が少なく、2023年は36,958円、2024年は33,195円と年ごとの振れが大きいため、数年分を並べて見るのが安全です。

カラー代は家計調査のどの項目に入りますか?

他の理美容代に入ります。2025年1月改定の分類では、他の理美容代にセット代、毛染め代(ヘアマニキュア・ヘアカラー)、美容院の洗髪代のほか、エステや着付け、大規模な温泉施設の入場料なども含まれます。

家計調査の最新データはいつ公表されますか?

年間の結果は毎年2月上旬に公表されます。2025年分は2026年2月6日に公表されたため、2026年分は2027年2月ごろの公表が見込まれます。月ごとの結果も毎月公表されています。

美容センサスの1回あたり利用金額と家計調査の平均価格はなぜ違うのですか?

集計の単位が違うためです。美容センサスは個人が1回の来店で払った金額で、家計調査はカットやパーマなど品目ごとの1回の価格です。家計調査ではカラー代が別の品目に入るため、カット代の平均価格は来店1回の会計額より低く出ます。

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年」詳細結果表〈品目分類〉表4-1・表4-6(2026年2月6日公表)、同2024年 表4-1(2025年2月7日公表)、「家計調査」長期時系列表(二人以上の世帯・単身世帯、1世帯当たり年間の品目別支出金額、2026年2月6日公表、e-Stat「家計調査」)、「収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)」(総務省統計局「収支項目分類」)、リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期<美容室編>」「美容センサス2026年上期<美容室編>」。理容・美容分、1人あたり、商圏の金額はVAULTA編集部の計算値。価格設定の判断は税理士や中小企業診断士などの専門家にも確認してください。

家計調査からは、世帯の美容代がパーマからカラーなどへ移りながら増えていることが分かります。まず商圏の世帯数と地域の1世帯あたり支出から、自店のシェアを計算するところから始めてください。

VAULTA|美容室専門のLINE公式サポート

美容室に特化したLINE公式、
無料でおつくりします。

予約・再来店・求人・販促まで、LINEひとつで。美容室の集客と経営に効く公式アカウントを、無料で作成します。

無料でLINE公式を作成する↗

友だち追加だけ。相談・作成は無料です。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

VAULTA編集部は、美容室・美容師向けに集客、リピート率向上、LINE公式活用、MEO対策、独立・開業、資金調達に関する実践的な情報を発信しています。

美容室の集客・リピート導線を見直したい方へ

新規集客、LINE公式、MEO対策、リピート率改善、ホットペッパー依存の見直しまで、あなたのサロンに合わせて整理します。

「何から直せばいいかわからない」という段階でも大丈夫です。
まずは現在の集客導線を一緒に確認しましょう。

コメント

コメントする

目次