美容室の開業に必要なものリスト|設備・備品・消耗品・書類・契約・資金を項目別に、揃える順番と抜けやすい16項目

美容室 開業 必要なもの|美容室の店内の様子

美容室の開業に必要なものは「設備・備品・消耗品・書類・契約・資金」の6区分に分けると、抜けが見つけやすくなります。金額の大きい設備から先に決めがちですが、実際に開業日を遅らせるのは、書類と契約の側で見落とした小さな項目であることが多いです。

この記事では、6区分ごとの必要なものリスト、揃える順番、初期費用の試算、抜けやすい16項目のチェックリストを、開業3か月前から使える形で整理します。

美容室 開業 必要なもの|美容室の店内の様子
目次

結論:美容室の開業に必要なものは6区分で洗い出し、「保健所の検査に要るもの」から先に揃える

必要なものの中には、保健所の検査までに現物が無いと開設届が受理されないもの(消毒設備、作業椅子、洗場、待合の区画など)と、開業日までにあればよいもの(レジ、消耗品、販促物)があります。前者を先に確定し、後者は後から追加します。

開業全体の進め方は開業準備と独立ガイド、時系列は開業スケジュール、保健所の基準は保健所の検査項目で扱っています。この記事は「物と書類の一覧」に絞ります。

区分1〜3:設備・備品・消耗品のリスト

区分 品目 数量の目安(席数3の場合) 備考
設備(保健所に関わる) セット椅子・ミラー 3組 作業面積の基準(1人あたりの床面積)と関係
シャンプー台(洗場) 1〜2台 給排水工事が要る。位置は内装設計の初期に決める
消毒設備(消毒液容器、紫外線消毒器など) 1式 器具の消毒方法を保健所に説明できるように
器具の保管棚(消毒済み・未消毒を分ける) 1式 分けて保管することを求められる
換気設備・照明 基準を満たす 照度・換気の基準は自治体の条例で定められる
待合スペース(作業室と区画) — 作業室と区分されているかを見られる
備品 シザー・コーム・ブラシ・ドライヤー・アイロン スタッフ分+予備 持ち込みか店支給かを決める
ワゴン・ミラー前の小物入れ 3台 —
レジ・決済端末・予約用タブレット 各1 決済の審査に2〜4週間かかる場合がある
洗濯機・乾燥機、タオルウォーマー 各1 タオルの回転数から容量を決める
看板・A看板、店名の表示 — 屋外広告物条例の届出が要る場合がある
消耗品 薬剤(カラー・パーマ・トリートメント) 初回発注1か月分 ディーラーの口座開設に日数がかかる
タオル・クロス・ケープ・ペーパー類 タオルは席数×日客数×2の目安 —
消毒液・手袋・ごみ袋・清掃用品 1か月分 消毒液は保健所の検査時にも現物を見せる

設備のうちシャンプー台と消毒設備は「あれば良い」ではなく「無いと検査に通らない」側です。内装の見積もり段階で位置と台数を決めてください。坪数と席数の関係は開業坪数の決め方を参照してください。

美容室 開業 必要なもの|ヘアスタイルの仕上がりイメージ

区分4〜5:書類と契約のリスト(提出先別)

提出先・相手 必要なもの 時期
保健所 美容所開設届、構造設備の概要(平面図)、美容師免許証(原本提示)、管理美容師の講習修了証(従業者2人以上)、従業者名簿、医師の診断書(結核・皮膚疾患の有無。自治体による)、手数料 開業の1〜2週間前までに提出→検査→確認
税務署 開業届、青色申告承認申請書、給与支払事務所の開設届(人を雇う場合)、源泉所得税の納期の特例の申請 開業から1か月以内(青色は期限に注意)
都道府県税事務所 事業開始等申告書 自治体の定め
労働基準監督署・ハローワーク 労働保険の成立届、雇用保険の適用事業所設置届、被保険者資格取得届 雇用した日から10日以内など
年金事務所 健康保険・厚生年金の新規適用届(法人、または個人で常時5人以上) 5日以内
消防署 防火対象物使用開始届、消防用設備の設置届(規模による) 使用開始の7日前まで
貸主・不動産会社 賃貸借契約書、保証会社の審査書類、火災保険の加入証 内装工事の前
金融機関 創業計画書、見積書、自己資金の通帳、許認可の見込みを示す書類 物件申込と並行
取引先 ディーラーの口座開設申込、決済代行の加盟店申込、予約サイトの契約 開業2か月前

税務署の書類は開業届の書き方と出す順番、融資の書類は融資の必要書類一覧で詳しく扱っています。

診断書と管理美容師の講習修了証は、取得に日数がかかります。診断書は受診から数日、管理美容師講習は開催日が限られるため、受講が間に合わないと開業日をずらすことになる場合があります。従業者が2人以上になる見込みなら、物件を決める前に講習日程を確認してください。

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区分6:資金 — 初期費用の試算(仮の設定)

項目 金額の目安 備考
物件取得(保証金・礼金・仲介手数料・前家賃) 家賃の6〜10か月分 家賃20万円なら120〜200万円
内装工事(15坪・居抜きでない場合) 450〜750万円 坪30〜50万円で試算
設備(セット面3・シャンプー台2) 150〜300万円 中古やリースで下げる余地
備品・消耗品の初回仕入れ 50〜100万円 薬剤・タオル・小物
広告・販促・予約システム初期費 30〜80万円 看板を含む
手数料・保険・許認可 10〜20万円 開設届の手数料、火災保険、賠償責任保険
運転資金(3〜6か月分) 200〜400万円 家賃・人件費・仕入れ・返済
合計 約1,000〜1,850万円 —

数字はすべて自分で置いた前提による試算です。運転資金を削ると開業直後の資金繰りが苦しくなるため、設備を中古にしてでも運転資金は残す判断が要ります。資金調達は公庫の創業融資を参照してください。

よくある質問

  1. 居抜き物件なら設備は買わなくてよいか:残置された設備が保健所の基準を満たしているとは限りません。前の店が理容室や別業種だった場合、洗場や消毒設備の位置が合わない場合があります。契約前に保健所へ図面で確認すると、買い直しを避けられる傾向があります。
  2. 1人で開業する場合、管理美容師は要るか:従業者が常時2人以上の美容所に置くことが求められるため、1人開業では不要です。ただし後からスタッフを雇うと必要になるため、講習は早めに受けておくと開業後の採用が動きやすくなります。
  3. 設備をリースにすると初期費用はどのくらい変わるか:セット面3・シャンプー台2の200万円をリースにした場合、月額3〜4万円台になる場合があります。初期の現金は減りますが、総支払額は購入より増える傾向があるため、運転資金の厚さと比べて決めます。数字は仮の設定です。

揃える順番(3か月の流れ)

  1. 3か月前:保健所に平面図を持って事前相談

    物件の図面段階で、作業室の面積・洗場・待合の区画・換気照明を確認します。ここで直せば工事のやり直しが要りません。同時に融資の申込と、管理美容師講習の日程確認。

  2. 2か月前:設備の発注、取引先の口座開設、決済の審査

    シャンプー台・セット椅子は納期が3〜6週間かかる場合があります。ディーラーと決済代行の審査もこの時期に出します。

  3. 1か月前:備品・消耗品の発注、書類の作成、告知の準備

    開設届と添付書類を揃え、診断書を取ります。看板と予約サイトの準備、LINE公式の開設。

  4. 2週間前〜前日:開設届の提出と検査、消防・税務の届出、リハーサル

    検査で指摘が出た場合の修正期間を見て、開業日の1週間以上前に検査日を設定します。

抜けやすい16項目のチェックリスト

開業経験者が「後から気づいた」と挙げやすい項目です。

  • 消毒済み器具と未消毒器具を分ける保管棚
  • 従業者用の手洗い設備(洗場とは別に求められる場合)
  • 医師の診断書(従業者全員分)
  • 管理美容師の講習修了証(従業者2人以上)
  • 屋外広告物の届出(袖看板・壁面看板)
  • 防火対象物使用開始届(消防署)
  • 火災保険と施設賠償責任保険
  • 決済端末の審査期間(2〜4週間)
  • ディーラーの口座開設(初回は現金取引になる場合)
  • 電話番号・インターネット回線の開通(申込から2〜4週間)
  • 音楽の利用許諾(BGMを流す場合)
  • ごみの事業系収集の契約(家庭ごみに出せない)
  • タオルの回転数に合った洗濯乾燥の容量
  • 釣り銭と小口現金
  • スタッフの労働条件通知書と雇用保険の手続き
  • Googleビジネスプロフィールのオーナー確認(郵送に1〜2週間)

出典:美容師法第11条(開設の届出)・第12条の3(管理美容師)・第13条(構造設備の基準)、厚生労働省「美容師法概要」、所得税法第229条(開業の届出)、消防法第8条・火災予防条例(防火対象物の使用開始届)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第4条の2、健康保険法第48条。構造設備の細目・診断書の要否・手数料は自治体の条例と保健所の運用で異なるため、必ず管轄の保健所に事前相談してください。金額はすべて自分で置いた前提による試算です。

必要なものは「保健所に要るもの」を最初に確定し、6区分のリストを月ごとに消していくと、開業日を動かさずに済みます。3か月前の事前相談から始めてください。

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この記事を書いた人

美容室オーナー・経営者向けメディア「vaulta」編集部。集客・リピート・融資・求人・DX・独立の実務情報を、一次情報を確認のうえ発信。お金に関わる記事は中小企業診断士の監修を受けています。編集責任者:ISOYAMA。

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