美容室のカルテのテンプレート|無料で作れる項目一覧と、紙・表計算・アプリ別の様式の作り方

美容室 カルテ テンプレート|美容室でのカウンセリングの様子

美容室のカルテのテンプレートは、市販の様式を探すより「自店で使う項目を決めて、紙か表計算で作る」ほうが早く、無料で済みます。項目が多すぎるテンプレートは書かれなくなり、少なすぎると次回の施術に使えません。

この記事では、そのまま使える項目一覧、紙・表計算・アプリそれぞれの様式の作り方、書かれ続けるための項目の絞り方、個人情報として気をつける点を整理します。

美容室 カルテ テンプレート|美容室でのカウンセリングの様子
目次

結論:美容室のカルテのテンプレートは「基本・施術・次回」の3区分・15項目で足りる

カルテの目的は、次回の施術と提案に使える情報を残すことです。「基本情報」「施術記録」「次回に向けたメモ」の3区分に分け、合計15項目前後に収めると、忙しい営業中でも書き切れます。

項目の中身より、書く人が変わっても同じ場所に同じ情報が入ることが重要です。テンプレートはそのための「型」であり、凝った様式は要りません。書き方の考え方は顧客カルテの書き方で扱っています。この記事は様式そのものに絞ります。

そのまま使える項目一覧(テンプレート)

区分 項目 記入例 必須か
基本情報 氏名・ふりがな 山田 花子(やまだ はなこ) 必須
連絡先(電話・LINE) 090-xxxx-xxxx/LINE登録済 必須
来店経路 紹介(田中様)/Googleマップ/ポータル 必須
来店周期の目安 6〜7週 必須
アレルギー・皮膚の状態(同意を得て記録) ジアミンかぶれ歴なし/頭皮が乾燥しやすい 該当時
施術記録(来店ごと) 日付・担当 2026/9/10 佐藤 必須
メニュー・金額 カット+リタッチ 9,900円 必須
薬剤(品番・配合・放置時間) 7-GB:8-NB=1:1/OX6%/20分 必須
仕上がりの評価(本人の反応) 明るさは満足、前髪はもう少し軽く 必須
店販の購入 シャンプー300ml 該当時
写真の有無 ビフォー・アフター撮影済(同意あり) 該当時
次回に向けたメモ 次回の提案 次回は前髪を1cm短く、カラーは同じ配合 必須
会話のメモ(趣味・家族・予定) 10月に娘の運動会 任意
次回予約の有無・目安 10/25 予約済み 必須
連絡の履歴 9/13 LINEでお礼送信 任意

「必須」の10項目だけ埋めれば、次回の施術は再現できます。任意の項目は、書けるときに書くという運用にしないと、テンプレート全体が重くなって続きません。

紙・表計算・アプリ — 様式の作り方と向く店

形式 作り方 向く店 弱点
紙(A4・1人1枚+来店ごとの行) 上の表を1枚に印刷。施術記録は1行1回で10回分の欄を用意 1〜2人の店。書く速さを優先したい店 検索できない。保管場所と持ち出しの管理が要る
表計算(無料のスプレッドシート等) 1シート=1顧客、または1行=1来店の縦長表。項目名を1行目に固定 スタッフ3人前後。周期で抽出したい店 入力が営業後になりがち。スマホからの入力は工夫が要る
予約システム・顧客管理アプリ 用意された項目に、上の表の不足分をメモ欄で補う 予約システムを既に使っている店 項目の自由度が低い。乗り換え時のデータ移行に手間

迷うなら、最初は紙か表計算で3か月使い、実際に埋まった項目だけをアプリに移す順番が確実です。使っていない項目を最初からアプリに作っても、入力されません。アプリの選び方はカルテ管理と顧客管理アプリ活用術にまとめています。

ネット上の「無料ダウンロード」の様式は、美容室以外の業種向けで項目が合わないことが多く、アレルギーなど健康に関する欄の扱いが個人情報保護法の要配慮個人情報に対応していない場合があります。他業種の様式を流用するときは、次の節の項目を必ず確認してください。

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テンプレートに入れるときに注意が要る3つの項目

  1. アレルギー・皮膚疾患・服薬:病歴にあたる情報は「要配慮個人情報」に該当する場合があり、取得の前に本人の同意が必要とされています。カウンセリングシートに同意の一文を置き、カルテには「同意あり」と記録します。
  2. 写真:施術写真は個人を識別できる情報です。撮影と保存の同意を取り、SNSに載せる場合は別の同意が要ります。掲載許可の取り方は写真撮影と掲載許可の取り方を参照してください。
  3. 家族・職業などの会話メモ:接客に役立ちますが、本人が「なぜ店が知っているのか」と感じる情報は書かないほうが安全です。本人が話した内容に限り、評価や憶測は書きません。

カルテは店の資産であると同時に、お客様の個人情報です。取得の目的を店内に掲示するか同意書に書き、保管期間と廃棄の方法まで決めておくことが、テンプレートを作るときの前提になります。保管と廃棄はカルテの保管期間はいつまでかにまとめています。

テンプレートを運用に乗せる手順(4ステップ)

  1. 必須10項目だけで1か月試す

    任意項目は入れずに始めます。1か月後に「書けなかった項目」と「欲しかった項目」をスタッフから集めます。

  2. 書く場面と時間を決める

    薬剤と配合は施術中に、本人の反応と次回の提案は会計直後に、連絡履歴は送信時に。「後でまとめて」を無くすと記入率が上がります。

  3. 月1回、抽出して使う

    「来店周期を2週間超えた人」「次回予約が無い人」を抽出して連絡します。使われないカルテは書かれなくなります。

  4. 3か月で項目を見直す

    3か月間で一度も埋まらなかった項目は外し、毎回メモ欄に書かれている内容があれば項目に昇格させます。テンプレートは固定せず育てます。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(要配慮個人情報の取得、利用目的の特定・通知)、個人情報の保護に関する法律第2条第3項・第17条・第20条。制度は改正されることがあるため、実際の運用では最新の公表資料を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。記事内の記入例・項目数は自分で置いた前提による例です。

表計算でテンプレートを作るときの3つの工夫

  1. 1行=1来店の縦長表にする:1顧客1シートにすると、来店周期の抽出ができません。顧客IDを列に持ち、来店ごとに1行足す形が集計に向きます。
  2. 入力はプルダウンにする:来店経路・メニュー・担当は選択式にすると表記がそろい、後で集計できます。自由入力は「本人の反応」と「次回の提案」だけにします。
  3. 閲覧できる人を絞る:共有設定でスタッフごとに権限を分け、書き出し(ダウンロード)はオーナーだけにします。退職時はアカウントの共有を外すだけで済みます。

表計算のテンプレートは、顧客管理の入口としても使えます。抽出と連絡の設計は顧客管理をエクセルで無料で始める方法、全体像は顧客管理・CRM完全ガイドを参照してください。

紙テンプレートの1枚レイアウト例(A4縦)

紙で作る場合のレイアウトは、上段に基本情報、中段に来店ごとの記録、下段に次回メモの3段構成が書きやすい形です。数字は仮の設定で、用紙に合わせて調整してください。

段 高さの目安 入れる項目 書き方の工夫
上段(基本情報) 約6cm 氏名・連絡先・来店経路・周期・アレルギー(同意欄つき) 初回に1回だけ記入。変更があれば横線で消して追記
中段(施術記録) 約16cm・10行 日付/担当/メニュー・金額/薬剤・配合・時間/本人の反応 1行1来店。10行埋まったら2枚目を重ねる
下段(次回メモ) 約5cm 次回の提案/会話メモ/次回予約・連絡履歴 会計直後に1行だけ書く。前回分は線で区切る

1枚に10回分が入る設計なら、来店周期6週間の人で約14か月分が1枚で追えます。用紙は厚めの上質紙にし、ファイルは五十音か顧客番号で並べると、営業中に探す時間が減る傾向があります。

紙は「書く速さ」で表計算やアプリに勝ちますが、抽出ができません。月1回の抽出(周期超え・次回予約なし)は、来店日だけを表計算に転記して補う運用が現実的です。

なお、テンプレートを紙から表計算やアプリへ移すときは、過去分をすべて転記する必要はありません。直近1年に来店した人だけを移し、それ以前は紙のまま保管期間まで置く形にすると、移行の手間が数分の一になる場合があります。

作る前のチェックリスト

テンプレートを配る前に、次の6つを確認してください。

  • 項目は「基本・施術・次回」の3区分で、必須は10項目前後に収まっている
  • アレルギー欄には取得の同意の一文がある
  • 写真の撮影・保存・掲載の同意を分けて取る欄がある
  • 書く場面(施術中・会計後・送信時)が項目ごとに決まっている
  • 月1回の抽出(周期超え・次回予約なし)に使う列がある
  • 閲覧・書き出しの権限と、保管期間・廃棄の方法を決めている

カルテのテンプレートは、ダウンロードして終わるものではなく3か月使って項目を育てるものです。必須10項目から始めれば、無料で、今週から運用に乗せられます。

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メニュー別の記入欄と、同意・保管の欄 — 表計算で作るときの列設計の例

共通の項目に加えて、メニューごとに「次回に再現するための欄」を持たせると、担当者が変わっても同じ仕上がりに近づけます。欄はすべて自分で置いた設定で、店のメニューに合わせて増減してください。

メニュー 必ず残す欄 あると助かる欄
カラー 薬剤名・レベル・色味・配合比・放置時間・根元と毛先の塗り分け 白髪の割合と位置、頭皮の反応、退色の速さ(次回の聞き取り)
パーマ 薬剤の種類と強さ・ロッド径と本数・巻き方・放置時間・仕上がりの満足度 クセの方向、前回の持ち(何週間で取れたか)
縮毛矯正 薬剤の強さ・放置時間・アイロン温度・施術範囲(全体/前髪/根元) ダメージ部位、次回の推奨間隔
カット 長さの基準(体の位置で)・量感・前髪・乾かし方の癖 「いつもと同じ」の定義(写真の番号)
トリートメント・ヘッドスパ 使用剤・時間・頭皮の状態 ホームケアの提案と反応

同意・保管に関する欄(法令面)

  1. 写真撮影・掲載の同意:「顔あり/顔なし/しない」と同意日。掲載先(Instagram・ホームページ・店内)を選択式に。
  2. LINE配信・DMの同意:配信の可否と登録日。停止の申し出があった日も記録。
  3. アレルギー・既往:パッチテストの実施日と結果、頭皮トラブルの履歴。安全に直結するため、目立つ位置に。
  4. 最終来店日と保管期限:最終来店から◯年で廃棄、と店で決めた期限を欄にしておくと、年1回の整理がしやすくなります。

表計算で作るときの列設計の例

1人1行ではなく、「顧客シート(1人1行)」と「来店シート(1来店1行)」を分けると、来店履歴が増えても崩れません。

シート 列の例 使い方
顧客シート 顧客ID/氏名/連絡先/初回来店日/来店周期の希望/アレルギー/写真同意/配信同意/担当 1人1行。IDで来店シートと結ぶ
来店シート 顧客ID/来店日/メニュー/担当/薬剤・配合/放置時間/会話メモ/次回の申し送り/次回予約日 1来店1行。顧客IDで絞ると履歴が並ぶ
集計(自動) 最終来店日/来店回数/平均周期/周期+2週を過ぎた人 関数で顧客シートに引く。失客の兆候の抽出に使う

欄と列はすべて自分で置いた設定です。個人情報の扱いは個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、パッチテストの考え方は厚生労働省「毛染めによる皮膚障害」の注意喚起を参照してください。書き方の例は「カルテの書き方」の記事、保管期間は「カルテの保管期間」の記事、表計算の抽出は「顧客管理をエクセルで始める」の記事を参照してください。

カルテに住所は要るか — 連絡先をどこまで聞くかの判断表と、聞く場合の同意・保管

カルテの個人情報は、「使う目的がある項目だけを聞く」のが原則です。住所を聞いても使い道がなければ、記入の負担と漏えい時のリスクだけが増えます。項目ごとに「何に使うか」を決めてから欄を作ります。

項目 使う目的の例 聞くか 聞く場合の注意
氏名(ふりがな) 予約・呼びかけ・カルテの検索 必須 —
電話番号 予約の変更連絡、無断キャンセル時の確認 必須に近い 連絡する時間帯を伝える
LINEまたはメール 来店後フォロー、次回の案内 配信の同意とセットで 配信停止の方法を明示
住所 紙のDM・年賀状を送る場合のみ DMを送らない店は聞かない 市区町村までで足りるなら番地は聞かない(商圏の把握が目的の場合)
生年月日 誕生月の案内、未成年の確認、施術の年齢制限 年齢の確認が要る店は聞く。生年月日ではなく「誕生月」だけでも足りる場合が多い 誕生日配信の同意とセットで
職業・勤務先 来店できる曜日・時間帯の把握 「平日/土日」など選択式で足りる。勤務先名は聞かない —
アレルギー・既往 薬剤事故の防止 必須(安全に直結) 要配慮個人情報にあたる場合があるため、目的を明示して同意を得る

聞く場合の同意と保管

  1. 利用目的を1行で示す:カルテの記入欄の上に「予約の連絡・施術の記録・ご案内のために使います。ご案内はいつでも停止できます」と書きます。
  2. 紙は鍵付き、データはアクセス権限を分ける:スタッフ全員が住所まで見られる状態にしない。退職者のアクセスは当日中に止めます。
  3. 使わなくなった項目は消す:DMをやめたら住所欄を廃止し、既存の記録も整理します。持ち続けるほど漏えい時の影響が大きくなります。

出典:個人情報保護法第17条(利用目的の特定)・第18条(利用目的による制限)・第20条第2項(要配慮個人情報の取得)、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」。項目の要否は店の運用で変わります。保管期間と廃棄は「カルテの保管期間」の記事、顧客データの管理は「顧客データのセキュリティ」の記事を参照してください。

無料でダウンロードする代わりに — そのままコピーして使えるカルテ様式3種と、表計算に貼る手順

配布ファイルを探すより、項目が決まった表をコピーして自店用に直すほうが早く、項目の意味も分かった状態で使い始められます。3つの様式は用途で分けています。

様式1:初回カルテ(来店時に1回だけ記入)

項目 記入欄 備考
お名前(ふりがな)   必須
電話番号/LINE   連絡の同意欄を横に置く
誕生月  月 生年月日は年齢確認が要る店だけ
来店のきっかけ □紹介 □検索 □SNS □ポータル □通りがかり 経路別の分析に使う
アレルギー・肌の弱さ・既往   必須。カラー・パーマの可否に直結
過去の施術(縮毛矯正・ブリーチ・黒染め)と時期   薬剤事故の防止
髪の悩み・なりたい像   自由記述
案内の希望 □LINE □メール □不要 停止の方法を明記

様式2:施術記録(来店のたびに1行)

日付 担当 メニュー 薬剤・放置時間 仕上がり・お客様の反応 次回の提案 次回予約
 /            □有 □無
 /            □有 □無

様式3:カラー・パーマ処方(薬剤を使う施術だけ)

日付 薬剤名・レベル・トーン 配合比 放置時間 根元/中間/毛先の状態 次回の調整メモ
 /       分    

表計算に貼って使う手順

  1. 表を範囲選択してコピーし、表計算ソフトに貼る:見出し行が1行目に入ります。項目の追加・削除はここで行います。
  2. 様式2・3は「1人1シート」ではなく「1店1シート」にし、名前の列を先頭に足す:来店周期や担当別の集計ができる形になります。
  3. 紙で使う場合は様式1だけ印刷し、2・3は表計算で持つ:施術記録は検索できる形のほうが、次回の提案に使えます。
  4. ファイルにパスワードを付け、月1回バックアップを取る:個人情報を含むため、共有端末に置きっぱなしにしません。

様式は自店の運用に合わせて項目を増減してください。個人情報の取得と利用目的の明示は個人情報保護法第17条・第21条、要配慮個人情報(既往など)の取得は同法第20条第2項を参照してください。項目の詳しい意味は本文の項目一覧、アプリに移す場合は「顧客管理アプリの無料の範囲」、保管期間は「カルテの保管期間」の記事を参照してください。

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この記事を書いた人

美容室オーナー・経営者向けメディア「vaulta」編集部。集客・リピート・融資・求人・DX・独立の実務情報を、一次情報を確認のうえ発信。お金に関わる記事は中小企業診断士の監修を受けています。編集責任者:ISOYAMA。

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